2014年2月18日 (火)

とべたら好いね。

とべたら好いね。
「とべたら好いね。」

この先の丘 とべたらいいね
といいながら

ちょっと

軽く 膝曲げて 公園の
高くなったとこ とびこえる

でもってついで

わらいながら
人生の 痛いトコ
のりこえる

なんてね

なんのために 生まれてきたか わかんない
なんて言うな

それは

生きてくなかで 少しずつ
伝えることばを 覚えていくもん なんだから

誰かのことばで それを 教えてもらいたい時は 単に
自分を 大事にしたい理由を 忘れるくらい
疲れているだけ

この先の丘 とべたらいいね
といいながら

ちょっと

軽く 膝曲げて 公園の
高くなったとこ とびこえる

とんだ その先で あなたが
やさしい 草のにおい かんじますように

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昨日桑沢の最後の授業が終わりました。
これから原票つけに学校へ
一人も落第者をださずに済んだ、先生安心
手伝ってくれたぽざわさんと反省会して

ほっとしたら帰りの電車で
詩心が動きました

授業の最後にアンケートを書いてもらったんですが
すごく温かい言葉にあふれていて感動
スゲー批判が多いだろうって思っていたんです、
すごくその個性と意見がある学生が多いクラスだったから

同時に自分に自信がないってことばが多かったな

アタシもないけど、でも考えてみたら
いいとこを自信にしようとするから狂うんですよね
たぶん本当に自信にしなきゃいけないのは

何をやっても変わらない核の部分なんですよね

それはたぶん
色々なものと接触しなきゃ分かんないものだから
めげずに時間をかけて消化してほしい
そう思います

来週末の桑沢の卒業制作展が楽しみ
2/28−3/2
よかったら学校のHPからお調べください


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2013年11月12日 (火)

松崎ミトラ執筆小説「バニー」上粋。

小松成彰くんがアタシの朗読詩のBACK-FUCK-BUNNYに共鳴して
バニーという曲をかきました。
アタシはそれが嬉しくて、サンプリングとかするなら言ってと伝えたら
すごく軽いフットワークでやってくれて
そのスタジオでの経験、彼にこの曲の背景にあるものを説明しているうちに
今度は小説が浮かんできました。
三時間で書き上げたのでアラも多いですが、
アタシの脳内に鳴り響いていたこの曲をBGMに楽しんでいただけたら幸いです。
画像はめえさんがとってくれたこれまた人生初のアー写です。

この小説をUPするにあたり、励ましてくれた朧月ムメイさんと
小松くんとうちの夫に感謝します。  松崎ミトラ

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                       バニー

 「てゆうか、絶対しんじられないって」
「・・・うん」
ぼろぼろと涙をこぼす彼女の机で紙ナフキンの形が濡れてくずれていく。
アタシはその様子を眺めながら座り直すとオレンジの合皮のシートは体勢を変える度に音をならし、アタシの身体の動きをGPSみたいに伝えていく。
真美がギリギリつけてきた化粧のマスカラはすでにボロボロで目の下は散々に黒く汚れている。ウエイトレスはアタシたちの机を一瞥し、水が減っていないことを確認すると速度を上げて通り過ぎ、入り口にやってきた男3人のもとに小走りでむかっていった。
席数の確認と喫煙、禁煙を聞くコールをもう何度も聞いている。真美の頼んだパフェはストロベリーアイスが流れ出し、ガラスのカップの結露と混ざってぐちゃぐちゃになっている。
「だってアイツ、3日もいたんだよ?かわいいねってそっからずっと裸でさ
なのにもう何も無いの、どうして?」
あの日、ライブハウスでドリンクをかえて戻ると真美が知らない男と話しているのに気づいた。大好きなフォックスに時間をあわせて階段を下りたアタシたちは、そいつのバンドを一曲くらいしか聴いてない。
次は俺らのみてよとかどっからきたのとか話してるうちにウォッカ3杯も呑んだ真美がそいつの腰にいわれるがままに手を回したのをみて、ああまたかと思った。手をつないで真美と歩くそいつのツンツンの金髪とギターケースが揺れるのを見送ってアタシは家に入る前にコンビニでちょっと時間をつぶした。
そっから一週間するかしないかでバイトの休憩中にアタシは真美からその男にメアドを変えられた話と電話が通じなくなった話を聞かされここに至る。
「だからさ、すぐにヤルのよくないっていったじゃん」
「ひな子にはわからないよ、真治君とうまくいってるアンタには」
「じゃなんで呼び出すのよ」
「だって・・・でも、次なんかないよ、
いつだって断って大丈夫とか無いじゃんか」

革ジャンの間からフリルのキャミソールが震えているのがわかる。
「連絡ないのはもういい、でもね、トラレタ」
「トラレタ?何を?」
「まんこ。」
その瞬間、後ろの卓の3人が一瞬黙ったのが分かった。あっとアタシは思う。
「なんでよ。」
「だってカワイイから撮らせてって言ったから」
「写メ?」
「うん、どうしよう、今頃ネットかも」
「馬鹿じゃないの?なんで断んなかったの?」
「だって怖かったし」
「わかった、じゃ、電話するよ、そいつの番号教えてよ」
「え、やめて、ちがうの、これ以上大きくなるのはヤダ」
「えー」
こういう時アタシはどうしていいか分からない気分になる。野郎のことはもちろんむかつく、でも真美だって愚かだ。だから投げるように「男ってどうしてこうなんだろ」と思う。すべての男がそうじゃないとは思うがメンドクサイ。真美のパフェはもうだいぶ形がくずれて、ウエハースがおちかかり、アイスがミルクの海に沈んでるかのようになっている。
「とりあえずパフェ食べな、アタシもタバコ吸う」
そしてようやくアタシは右手で立てたり寝かしたりしていたメンソールの箱から一本タバコをとりだして火をつけた。
真美はカップに手をそえるとグッと持ち上げパフェをのんでしまった。
案の定、白い川がよれたリップの口元をながれ、革ジャンに垂れた。
彼女はそれを腕でふきとると
「かっこ悪い」
と小さな声で呟いた。

 

家に帰るとママが電話を切るところだった。居間のケージでココが動き回っている。電話を切ると母はこちらを振り返り
「ココちゃんね、またパパになっちゃったの」
と少し泣きそうな声で言った。
「またあ?この前だって里親探すの大変だったじゃん」
ココはピンと張った耳とクリクリした目が印象的な兎で、ママはよく彼を連れて近隣の兎飼いの家に遊びにいく。この前斉木さんちに行った時に目を離した隙にその家の兎のララの上にココがのっかっていたので慌てて離した、危なかったと言っていたが、実はとっくに危なかった以上のことになっていたのだ。さっきの真美のことをふと思い出し、せわしなくケージの中を動いているココのそばにいき、「駄目じゃんかアンタほんとに」というと何が不満なのかココは表情をかえぬまま、前足をそろえてドンと一発地面を蹴った。

俺の神聖な仕事に文句いうな、とでも彼はいったのかもしれない。草食動物の兎の繁殖力はすごい、とココを飼う時にネットで調べたのを思い出した。写真に撮るとか気まぐれに居座るとかそういうアタシたちの娯楽のようにココはセックスをしない。隙をみて、相手をみつけ、今だと思ったらすぐに、そこに本能の声はあっても感情の余地はないだろう。

アタシは考えないようにしているだけだ、真美の話にも結論を出さなかった。
バイトだってつい最近まで真美と一緒のところにいたのだ。深夜に暇すぎて真美とくっちゃべっていたら客から不真面目だとクレームがあって店長に怒られ、それにキレてやめた。どっかでそれが正しいように感じもしたが、その言われた通りのことをやったら、自分がなくなる気がした。いつもそうだ、ちゃんと正しいこと、求められることをやったら自分までつまらない奴になりそうな気がして、アタシは言うことを聞かなきゃここからは駄目というところでいつも適当に理由をつけて辞めた。

真美はいつもそんなアタシの話に、「ひな子はすごいね、正しいよ」と同調して相づちをうち、大抵の場合、自分もバイトを辞めてついてきた。でも今回は初めて来ないでと伝えた。真美は「どうして?」と聞いてきたがうまく理由は言えなかった。ただ、風景や人は変わっていっても自分の心が何度も同じところを回っている気がして、それに目を背けるのがいやになったのだ。

でもそんなアタシも真治と付き合い出してすぐの頃はセックスにハマった。真治は二つ上で大学に通っていて、アタシはその学校の入り口で真治の授業が終わるのを良く待っていた。
学校の門の近くに腰掛けて、真治の姿が見えるのを待つ。友達と別れた真治と手をつないで歩いてアパートの階段を上り部屋に入る、そんなことを考えながらぽっかりと空いた青空を眺めた。

でも実際そうやってセックスをしたあと、彼の部屋の窓からみえる空は嫌いだった。望んで待ちきれなくてしたことだったのに、自分はこの数時間、何をしてたんだろうと胸が押しつぶされそうな気持ちになって泣いた。真治は不安げにアタシの頭を撫で、そんな真治をまた押し倒すようにキスしてその心の不安を塗りつぶそうとするのに、それは益々大きくなってアタシを飲み込むようだった。

つまんない何かになるのはいやだと思って停滞しているアタシが結局はあらゆるものに追い抜かれ、更に本能という自分の中の制御出来ない波に飲まれていくのが惨めだった。真治が好きだからなのか、単に考えたくないだけなのか、それがわかんないことを埋めたくてまた求める。それは幸せなのに自分で掘った穴に深く深く堕ちていくようでどうしようもなかった。幸せを感じているアタシを馬鹿にするアタシの声がずっと耳に響いて、そんな不安定な数ヶ月を過ごした後でやっとアタシは真美と離れてバイトをするようになった。携帯が鳴った、真治だ。

バイト上がりの真治を待ってコンビニに迎えにいくと肩からカバンをさげた真治が出てくるところだった。「や。」と手を振り近づいて手を取って彼の家のほうに歩いていこうとすると彼はその反対側にアタシを引っ張りなおした。そっちはラブホテルの乱立する通りで真治はニッと笑うと
「給料日になったからたまには豪華に!」
といった。部屋を指定して鍵を受け取り、扉をあけ、ベッドの前でキス。真治
は上着を脱いで上半身裸になり、アタシを下着姿にすると突然アタシをくるっと回して背後から抱きしめベッドに倒れ込んだ。
ファサッと布地が肌にあたりやわらかにしぼんだ。
「どうしたの?ヤんないの?」
とアタシが聞くと
「ん、も少しこのまま」
という。
「時間終わっちゃうよ?」
と返しても
「今日は疲れたからあともう少し」
という。そして寝息をたててしまった。うなじにはあたたかい息がかかり、アタシの胸にまわされた腕は規則正しく上下運動しながらだんだんと脱力して重くなっていった。アタシはそのまままっすぐ前をみると、視線の先に時計があった。デジタルの文字盤の真ん中の点が規則正しく点滅している。17181920・・・数えてはまた分かんなくなってもう一度1718と繰り返して適当になり、アタシも次第にまどろんだ。


そういえば今日は夜勤明けのまま真美に会ったんだ。すると断れなかったといった時の真美の目と、ココの目が同じ寂しさをしていたように感じ、彼らが求め突き動かされたのは結局このぬくもりのせいだったのではないかと思った。

 

さらにまどろむ、今日はもうこのまま、呼び出しの電話があるまで寝てしまうだろう。アタシの肌と真治の肌の熱が一つに繋がって、アタシはなんか永遠みたいと思った。

 

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2013年11月 1日 (金)

ムード・インディゴと音楽へのきもちと。


「かんぺきな日。」

私はあなたに私の人生のひとつをあげたかった

望まれないこととはわかっていたが

それでも未来があるとおもうのは
素敵なことだと思っていたから

何もかも蚊帳の外の気分で
窓からみあげる夕暮れはきれいで
わたしはすこしその色に希望をみることができて

だから孤独が豊かだった
それは希望の光

だから私は
あなたに自分の人生をひとつをあげたかった

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先週土曜日の最後の鑑定の時間を切り上げて
ムードインディゴって映画の完全版に行きました。

毎年、学生にみせてるミュージックビデオの作者、
ミシェル・ゴンドリーがうたかたの日々を映像化する
そしてそのたった二回の完全版。

まあ、カットされているであろうサルトルのシーンが
みたかったのです。
で、やっぱ主人公カップルにあんまり関係ないのに
そのサルトルのシーンって奴がやっぱり印象的でした。

哲学者に没頭する友人カップルの悲劇と狂気があって初めて
隣り合わせで展開するこの純愛が
引き立っていたのかもしれない

美しいシーンは多々あったのですが
悲痛である結末の処理の仕方がどこまでもゴンドリーでした。
や、これはすごい!
まとめ方に隙が無くミシェル・ゴンドリー!!

葬式のシーンが最高に好きになりました。
でも四人で観にいったのにこの葬式の
ちょっと笑ってしまう非道さってのに過剰かつ
熱狂的に反応したのはアタシだけだったような。

何かに似てるんだと思ったら
チャップリンのドタバタ映像みたいなテイストだったんです。
人間という存在の悲哀を包み込んで自分風に書いている。

ゴンドリーはぶれない、ちょっと昔の映像技術の記憶や
手触りを効果的に使うという彼のセンスがほんとすごい。

誰かとここについて熱く語り合いたい!

さて、ルー・リードの訃報をきっかけに
パーフェクトデイの歌詞をじっくり読んだら
その日常にあるささやかな幸せを味わい尽くして描写した
そのセンスがやっぱりすごくて

自分も自分の出来うる限り、自分が信じる
最高の曲を書き続けたいと強く思いました。

アタシのライブは客とコミュニケーションしてないと思うんですよ。
「怖い」「殺されそう」と評される私のライブは。
何かと言えばそれは、アタシが20代の前半に土台にしてしまった
キックボクシングであり、アートの経験なのです。
リングの選手と客の関係です。

自分が自分と対峙した結果をお見せして
感じる人にはその姿から勝手に感情を連鎖させて貰うというありかた。
そこにしか成立しない世界。

人を平和にはできないが
心を平和にしたくて葛藤している人間がいると伝える事だけできる。

夢今というファクトリーを夢見た遅れたシステムもまた
アタシなりの美意識なのであります。
でもこれを残す事で、そのネットで音楽を漁るのに物足りなかったり
飽きた層がやってくる。

アタシの表現者としての仕事は時代の波に乗る事
ではなく
時代を経ても必要であってほしいものを残すことにあるんですよね。

偉大なる先人の表現仕事を踏まえてそんな結論を得た昨今です。

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2013年9月25日 (水)

荒野のヌードモデル

荒野のヌードモデル
荒野のヌードモデル

行為の後でシャワーを浴びた君
ユニットバスのドアに手をかけ背中を向けて微笑んだ
「素敵でしょ?
アタシ荒野のヌードモデル」

「どこが?」ときけば
「だってアタシ今 心の中では アリゾナの教会の入り口で
裸になってる罰当たりなの」という

「じゃ今君の罪はどこ?」と聞いたら
指鉄砲で僕を打ち抜き
「サボテンの針に呑まれて死ね」って

バスタオルを肩にかけコンビニに向かって旅立つ白い肌
荒野のヌードモデル

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亀有にピンク映画の映画館があって
そこで荒野のダッチワイフって映画をやってたんです。

登場人物が口にパンツ突っ込まれて死んで
その死体に青空みせるとか

そのシーンが未だにシュール過ぎて忘れらんなくて秋。

詩って瞬間をきりとって永遠にする所作だと思うんですが
アタシの書くものはどうも動いている
とどまらせる言葉ではなくて

その情景における空気とスピード感を思い出すインデックスとして
言葉とリズムを考えて音に置き換えて文字に直しているんです

この詩はロマンチックに完全に浸るちょっといかれた女が
それを共有しようとして割り込んでくる男を突き飛ばす
排他的な一瞬の心の揺れをきりとって付箋をつけてみました

とあるロマンチックな妄想に完璧に浸りたいのに
全然おもってもみない合いの手を入れられた時の
おまえじゃねーよという感じ

と、それを危ない危ないと遠ざけながらも
一定の距離感で自分の愛玩のように見つめる男のエゴ

なんかその感じを思い出すのが好きですね。
星の王子様とバラにも似た何かで。

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2013年9月22日 (日)

ロック

ロック
「ロック」

ずっと探していた
ずっと探し求めていたんだ

沈め
ただ沈め
絡まり合って泣くように

進め
ただ進め
そこだけに燃える答え

あなたは失われた光
そして私はそれを憂う涙

あなたは痛みを剥ぎ取るように口づけ
ワタシはその祈りにひざまずいた


語るより静かに
そして語られるより静かに

古の歌をかみしめ此処に眠ろう

彼方へ

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松崎ミトラライブ予定
10/11(金)大塚ダイニングバー海 夢よりも今を語れ
       参加者一名追加募集中

10/18(金)新宿ソウルキッチン 30分ライブ

ご来場おまちしております。

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2013年9月 1日 (日)

15日のショートスケッチ




「15日のショートスケッチ」

クーラーをいれない部屋は夜になっても熱がとどまり
体に時間を教えない暴挙と引き換えに
節電という良心を称号として与える
夕暮れに耐えられないアタシ 今日もゆっくりと日々を泳ぐ

コンビニのチカチカしたあかり
何を読むでもなく
めくっては閉じめくっては閉じを繰り返すと
ボーカロイドの声が響く
彼女の唄よりアタシの日々の存在は空虚

休むことは美徳だと言ってやれないことが悪い
休むことは人生への愛だと慰めてやれないことが悪い
そう、それはアタシに対して

ボーカロイドの歌声にあわせ一つ良心を捨てよう
終戦のあの日涙にくれる民衆の中で
もんぺを脱ぎ捨て軽やかに浴衣をまとった昭和20年の女がいた

正も悪も批判も流れ続けることだろう
でもだからって自分を否定することにはなっちゃいけないんだ

善人であろうとするまえにセンチメンタルを流し己を讃えよ
夢よりも前にはいつだって今の自分が立っている

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夏休みの記憶が甘美であると
8月とか7月という月が愛おしくなり過ぎるのです
カレンダーもとりあえずそのままに店から帰宅。

本当は9月初頭が誕生日の自分はそこまで素晴らしく
お祭り気分でありまして
というか実際の学生の時は、休み期間に誕生日がぶつかると
祝ってもらえないじゃん、ギリセーフとか思ってたくせにね

今日の詞は8月15日前後にかいたもので
日経に載ってた終戦の日をまとめたルポライターさんの
インタビューにインスパイアされてかいたものです。
彼女の本を手にとってみたい。

この詩の原文は僕と俺が混在してるんだけど
ちょっと統一出来なくてとりあえずアタシになっています。
アタシって言葉は本当は使いたくない
なんつーか読む側の気分が限定されるでしょ?
おんな言葉に男が自分を重ねて読むという感覚を信用出来ないのです
でも考え過ぎですかね?

ここに来て、魅力的な誘いが本当に多いのに
予定にいれて動く気になれないのです
この人と会ったらギターの話が出来るとか
彼女と会ったら新しい知識が入るとか

怠け癖かと思うのですがそうじゃない多分
人と喋るエネルギーを店で使い果たしております
帰宅して夫と喋り猫と接するともう他者との接触エネルギーはゼロ。

や、駄目なんよ絶対
占い師は必要なことだけ伝えて
後はその言葉に触発されたお客さんが喋るのを
ずっと聞くのが大事な訳よ
でもアタシは喋ってしまう訳です

独演会じゃないんだからさ
放っておけないとか思っちゃだめなのよ
そういうのは依存の温床になるし

とかいってうまくキャラが変わりません

そうやって外に出られない自分を責めて
活動的な日記をかく人をリア充とよんでしまうのは
こういう自分のライフスタイルに自信がもてないからなんだと
アタシはここに来て自覚しております。

運気が外に出ていろんなもの触れたほうがいいといっても
動けないほど仕事に捧げている自分を
駄目というかわりにカッコいいと思ってもいいじゃないか
という今の気分です。
レザーの傷じゃないけども
あえてラッキーにいかないカッコ良さってもんがあるんだよ
人間には

というわけでお客さんから戴いたソープを今日から使うことにします。
母ちゃんから年末にギフトだって石けんを15個くらい貰ったのが
あんだけど、こういう時は特別をする!

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2013年8月31日 (土)

サバクダニの唄


サバクダニの唄

谷の両端に足をかけ道化師は今日も唄をうたっている
過ぎ去りし時はどこかと
過ぎ去りし日々はどこかと

愛し合うものたちの間を
憎しみあう者たちの間を
切ないほどの郷愁に指をかける一瞬を
時は通り過ぎていく

永遠とは流れることがすべて
その終わりなき通過運動を
私たちは己の肉体を滅ぼしながら伝え続けている

過ぎ行く時の狭間で歌いながら
自分が思っているよりもたくさんの喪失を経験したと気づいた

数限りない喜びの陰で
失われた者たちは
それでも自分たちには価値があったと叫び続けている

搾取する者たちはその犠牲にした彼らが
自分がそれを引き受ける使命に一瞬の安堵を浮かべたことなど
知る由もない

アナタのその喜びはワタシがいなければ成し得なかった
エリエリレマサバクダニ
エリエリレマサバクダニ

犠牲が引き金を引くカタルシスと
喜びがとどまれない哀しみを一葉にして
今日もうたう サバクダニの唄


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最近は善でも悪でも幸運でも不運でもなく
自分がどうしたいかで常に納得して進めることが
一番なのではないかと思うのです

アタシは20代の前半で平家物語の平時子の言葉をしりました
「海の中にも都がある」
屈しない、負けだとしても勝負の終わりを認めない美学

それは新しい世界を自分で想像する気概にも感じました。

それから平時子という女性はアタシの中で
最高にゾンビでサイコビリーなアイコンとして
特別な存在であり続けています

お前らの思う幸せなど享受しない
こちらはこちらで勝手に作る

アタシの表現者としての人生はこのとき
平時子の続きを生きるということに確定したんだと思います。

最近曲をかいた時に思いました
アタシはハスにかまえてるときが表現者っぽいと。

さて、人にはアレです
マイナスを食いつぶしている人が+になろうとする時に
ちょっと聞いた時にはアレだけど、でもそれを踏まえると
先が見えるネガティブな中のちょいポジみたいな階段を
昇る時があります。

あの人の幸せはアタシの不幸の上に成り立ってる
という思いは誰もが自分を納得させるために
一度は経験した言葉だと思うんです

今回はそれをテーマにしてみました。

画像はある日の飲食です
そう、この夜はぶどうと海老とトマトとムール貝の
不幸の上にアタシの腹を満たすという幸せがなりたっていたのよ

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2013年8月20日 (火)

ガードレールをぶん殴る

ガードレールをぶん殴る
「ガードレールをぶん殴る」

またをひらいて受け入れてやった
未来への投資
アタシは信じた

君は言った
「で、付き合いたいの?」
だるいだるい
アナタにとっては
モーニングセットのマフィンくらいに
デイリーな消費

中華料理屋のカウンターで
ブルーカラーのおじさんに混じり
真剣に軽いとか軽くないとか
ビールで流し込んでチャーハンで食べた

次に会ったら君は言った
「人を好きになったんだ
はじめてかも」
とか中学生かよ馬鹿みたい

でも何もいえない

ササルコトバを探して黙って結局くだらない女
別れ際くらい印象に残りたいとか
ワガママ思ってメンドクサイ

靖国通りを明治通りでまがって
キャッチを振り払った手でタクシーを引き止めろ

夜の新宿無言でアタシ
ガードレールをぶん殴る

今度あったらただじゃおかない
叫んで喚いて噛み付いて吼える
思い残しは残さない

しあわせになりたいはずなのに
愛の終わりばかりベテラン

だからも一度 夜の新宿
ガードレールをぶん殴る

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類は友を呼ぶ、といいますか

アタシのお客は振られ上手が多いです
いい女なんだけどなあ
と思うのですがなんでそうなるかって

高値の花過ぎて男子が寄らないんだとしても
寄られないほうからするとだんだん
自分に欠落があるからなんじゃないかと
思うようになってきまして

いざいい相手が現れた時にじらせない
そんなことしたら飽きられてどっかいかれてしまうと
焦って断れないみたいなんですよね。

で、次はまた○月に出会いがあるよ
というとそれに過剰にすがって何もできなくて
結局チャンスが逃げるとかとか

彼女達に必要なのは希望ある鑑定結果ではなく
痛みへの共感なのではないかと
独立してからは更にアタシは思うようになりました

だからそんな彼女達が
泣きたい夜に、不安な夜に
言葉にしたら勇気が出るような
そんなスピード感を言葉にしたいと思って書きました。

冒頭は「受け入れてやった」ではなく
「受け入れた」のほうが受け入れられやすいと思うのですが
あえてそのやり場の無い憤りを抱えた女子に
ピントを合わせるべくあえて上からにしました。

一般的にどうか、でなくどういったら寄り添えるか
が主眼です。

靖国通りから〜から下りまでのスピード感が
自分では最高に好きなんです

通りの名前って実際分かんなくても気分があがる
ルート66とかが使われる雰囲気を気分で和訳した感じです

失恋、特に振られるって奴は苦しくて痛い経験だけど
女の人生にとってはドラマティックな出来事の一つだと思う。
揺らぐ自分への信頼と否定の気持ちと
それでも曲げられない何かを個人的な経験と思い出から
引っ張り上げる

そこで沈まずに上がって来てほしいと
アタシは顧客の皆様に切に願っております。

ちなみにガードレール、
実際に殴るとぼんよよよよよんとかなったり
単純に痛過ぎて足がおかしくなるので

頭の中で粉砕するのがベストと思います。
沢山粉砕したら、心をこめてお国に税金を払うと。

この詩を五人ぐらいの愛すべき残念女子に捧げます。

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2013年7月14日 (日)

ソウ、ビューティーフル

ソウ、ビューティーフル
「ソウ、ビューティフル!」

ダニエル・デニーに伝えてくれないか?
東京は今日も糞ファッキンな朝だ

別にすべてを悪だと言いたいんじゃない
俺を置いていっても関係ないという体ですすもうとする
街の気分が嫌なだけなんだ

「人生は暴走列車だ」と誰かが云った

「思い通りに動かずに事故ばかり繰り返す
でも止めることを考えるよりは
乗りこなすほうが遥かに楽だ」と

思い通りに動いてやるのが嫌だと言いたいのなら
乗りこなしてやろうって気にもなるかな

Hey,デニー!
東京は今日も糞ファッキンな朝だ
思い通りに動いちゃいないって点では
代わり映えのない人生だ

so,beautiful!

金曜日の企画に来てくれた皆ありがとう。
関わった皆さんお疲れさま。
その一日前くらいに作った詩なんだけど

久々に詩を書いたなあ。
暑くて抜け出した部屋から抜け出して
水飲んでソファーに座ったらふわっとおりてきたんだ。

この、so,beautifulは
「とってもビューティフル」で
かつ
「だからビューティフル」なんだ

BEADY EYEを心に留めて
もう最近何故かイギリスのミュージシャンが
やたら気になっていて
というか心の支柱で
そういう思いの一個が形になったのだと思っている。

前回の夢今の魔法にかかった夫が
10月の夢今で夫が詩の朗読をやると言い出して
仲良しのセイジ君と朗読ユニットを組んだ。

でもって本気で練習してる
二人ののんびりした牧歌的な空気を象徴して
アタシは勝手に
「丘の田園貴族」というユニット名をつけてやった。

最初ん時に使う詩を夫が選んでたんで
試しに朗読してって頼んだんだけど
「ヒマワリさんが僕に語りかけたんだ」
とか言うから

「わかった、もういい」
ってつい一編でストップしちまった。
優しくてあまい世界を言葉で表現出来る才能と回路は
アタシには無いもんだからすげえなあ
と思ったよ。

だから
「小学生が周りを意識して声を張り上げるように
うまく読もうとすんな、
目の前に大好きなマスコットのきゅどりちゃんが
腰掛けて聞いてくれてると思って
奴の心に語りかけることだけ意識して読め」

とだけアドバイスしておいた。

昨日スタジオに入ったけど
なんかいい感じらしいよ。
12月の夢今の募集枠もあと3人でおしまい。

誰かに声をかけようか
このまま成り行きを見守ろうか
悩みつつ今日は小松君とレコーディングしてくる予定。

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2012年10月 5日 (金)

わたしはあなたと

わたしはあなたと
「わたしはあなたと」

わたしはあなたとずっといっしょにいたかった

夕暮れの街をごはんのにおいを嗅ぎながら歩きたかった

夜の静けさの下で月をみてすごしたかった

朝のざわめきをかんじながらねぼうして起きたかった

昼下がりにカフェでおそいご飯をたべたかった

「ばいばい」とあなたがいった

「ばいばい、ざんねんだけど僕と君は違うにんげんだった」

ちがう人間だからこそみてたけしきがきれいなんだ
とわたしはおもっていた

もうだめなようだった

すがすがしく別な方向をむいたあなたの横顔を
くもらせないようにわたしは

さいごにあなたの小指にそっと自分の小指からませてにぎった

きのうまでの大切なぬくもりが

今日そっとこうしてはなれる

わたしはあなたとずっといっしょにいたかった

わたしはあなたとずっといっしょにいたかった

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