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2022年2月 2日 (水)

新コロ日記3「脱水という落とし穴」

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昼少し前にかかりつけ医さんから電話がありました。私も予定では明日療養解除です。本当に?まだこんなに頭が痛いのに?でもそれ以上にオラクルカードを自分に引いた時に2日連続で世界の終わりの魔女が出て「私、いよいよオミクロン株に感染するみたい」と夫に話してからまだ一ヶ月も経っていないことが信じられないかもしれないです。


2回目の発熱明けの金曜日、朝ボーッと天井を見ながら「死んじゃうかもな」と思いました。こんなにもケアが間に合わず自分の体力任せの日々がどこまで続くのだろうと思い出したのはこの頃だと思います。昼にお粥を食べた時に何か感覚が変わってしまってました。嗅覚が無くなってたんです。この嗅覚喪失初日は「きっと戻る」と信じられてたんですけど、自分のメンタルは予想以上に弱ってました。土曜ぐらいから「もうだめ死ぬ!」と突発的にベランダに飛び出すようになっちゃったんです。嗅覚って、実はワーキングマザーのメンタルを大きく支えてたんです。ちょっと休ませてと言って飲むコーヒーの香り、遊びついでと言ってお風呂に投げ込む入浴剤。休めない日々を支えていたのは、そういう日々に溶け込ませたリラックスフレーバーによるところが多かったのにそれが奪われた、そもそも五感を失った私の霊能力はどうなる?そういう抱えきれない不安が一気に体を駆け巡って、でも外を散歩して息抜きも出来ず、吐き気も頭痛も一人だけ治らない現実と合わさってうおおおおおおってなる。そう、後半はこの療養が終わるのに相変わらず自分は頭痛も吐き気も治らず食欲もない、という他の家族との比較がズーンとのしかかってきます。まるでつわりの時のように。で、東京都も考えてくれていて、療養者向けの心の相談ダイヤルがあるんですよ。本当にコロナ騒ぎが始まって2年、流石東京都考えてる!希望を求めて毎日電話しました。そして毎日話し中でした。流石史上最大の感染者数であって、悩んでいる人の数も最大。ここも機能していませんでした。療養開始から同じように療養に入った先輩ママや自分の母と話すことでなんとか気持ちを立て直していました。

でも、たまたま連絡してきた友人がデリバリー係をやってくれたり、一日遅れましたがフォローアップセンターの連絡先が送られてきてそれは救いな日でした。このフォローアップセンターですが、保健所からの患者データが届いていないと最初から発症日からの聴取から始まるので、本当にしんどい時は前半は他の家族に話してもらうなど工夫しないと容体が悪化するかもしれません。なんで私は不安になったら悪くなりきる前にすぐかけてましたが一回だけ看護師さんが疲れていたのかイラついて回がありました。でもめげずに早めにかけたほうがいいと思います。で、本当は息子の件で保健所さんから電話があったときにすでに番号を聞けていたんですけど、保健所の人に「発熱者専用の相談窓口」と言われたのでHPに載っていた番号と勘違いしてしまったんですね。その時に息子のことを思い出せていたら、そしてカロナールを早めに飲んでいたら嗅覚が消えることは無かったかもと後悔しました。

土日は後半2回目の「死んじゃうかもな」を発動していました。朝は吐き気、午後から頭痛、場合によっては下痢。朝はリンゴしかかじれず、食生活を正して36.6度の体温を維持してきたのに35.2度とか上がっても35.8度しか上がらず不安になってきました。フォローアップセンターの看護師さんの勧めでかかりつけ医さんに胃腸の薬を貰いました。元々の薬に鼻喉の薬から胃腸薬、「頭痛と吐き気はコロナの主症状だから堪えるしかない、頑張って」と言われ薬たちが頼みの綱でしたが実に12種類は飲みました。もうやめたいけど勝手に辞めるの怖いしな。土曜日は待ちに待った保健所からの電話が私達夫婦宛に来た日でした。私は発熱から6日目のことでした。やっとパルスオキシメーターをお願いすることが出来ました涙。でも日曜の夜は下腹部痛に悶えていました。これは大腸に穴が空いているのではないかと言ったら看護師さんに「穴が空いてたらこんな話せてないんで」とピシャリとされました。「クー!頑張って冷静に話してるんだよう」大袈裟にいう癖が自分にあるとしても眠れないほど痛かったので寂しかったです。ちなみに保健所は人手が足りなくて夫に電話してきたのは獣医さんで、私には事務員さんでした。

月曜日、息子はもう解除間近なのにまだ吐きそうな私。午前中に届いたパルスオキシメーターに異常は無かったものの、吐き気が止まらず無意識に舌を出してました。この方が呼吸が楽だったんですが、夫がそれをみて「何ハゲ丸君やってんのw」と爆笑してスマホを取りに戻るとツルピカハゲ丸君のOPテーマを流してきました。「ハゲ丸くん、親友が(私の旧姓の)近藤って言うんだよ」「知ってる知ってる」とかいう会話をしました。私は頭使うのもしんどくてもうオラクルカードをやめてたと思うんですが、カロナールもリーゼも効かない謎の頭痛に苦しんでいました。あと、血便も出たっぽくて半泣きでした。先生は痔ではないかと言うけれど、痔にしては肛門あたりは痛みがなく不審な感じ。しかし、往診もしてもらえないので真相は闇の中。いや、ケツの中ですかね。下ネタすいません。

で、昨日の夜。頭痛がしんどくて、食事もしんどくて寝込んでいたら脈拍が100を越え出して最高に怖くなってフォローアップセンターに電話したら応対の看護師さんに「脱水ではないか?」と言われました。「なるべく水を飲んで、そして食べて」と言われるものの、既に胃が疲れていてスポドリをやめて白湯にしていたレベルだったので困惑し看護助手のお客さんと先輩のママに連絡すると二人の意見は一致「それ点滴しかないよ」それぞれがファストドクターの電話番号を調べてくれたり、体に残る水分の取り方を教えてくれたりして色々試し始めました。でもファストドクターも保健所の許可がないと往診はできないとの事。ダメ元でかかりつけ医に電話すると「大丈夫だよ、オシッコが出なくなったら入院だけど。スポーツドリンク飲んで耐えるしかない」なのでちまちまポカリを飲み続けました。頭痛が少し軽減されました。あと、この騒ぎの最中に猫がウンチをして「最悪!臭い」と叫んだことで自分の嗅覚が戻ってきたことにも気がつきました。いい匂いはわからないけどやった!!

それで、深夜「もしかしたら月曜日に私が舌を出したのは脱水で苦しかったのかもしれないなあ」と思いました。私達夫婦は医学知識が乏しかったのでツルセコ以上の発見は出来なかったけど、せめて喩えがバグダッドの野良犬だったら脱水に思い当たったかもしれない。というか、看護系の人がいたらここまで苦しんで無かったかも。自宅療養は本当に住人の知識で対処が変わってくるなと思いました。

そして今日。かかりつけ医さんに「あなたが昨日言ってた症状は脱水じゃないよ、オシッコが出るうちは違うから。自分で色々気にして病気を作り出さないようにね」とダメ押しの言葉をもらいそれが心にズーンときています。文章を書く事以上の精神安定は見つからないけど、本当にお腹を壊したし、食べられなかったし、辛かった。優しさを求めるのは贅沢過ぎる現状だけど、でも、やっぱり繊細な自分が悪いんだと追い込んでしまった。私、本当にまた普通の生活が出来るのだろうか。

でも、私達の療養生活はかなり上位に恵まれています。発熱外来に発症日に行けて、都の食料が貰えて、毎日休診日も療養期間中に電話してくれるお医者さんのお世話になれた。重症化が懸念される夫は平熱のまま経過をたどり、息子のお世話と食事を作ってくれている。お客さんも相談に乗ってくれたり物資や知恵をくれてデリバリーしてくれた友人もいる。落ち込んじゃダメだ、5分と立ってられなくても、でも、先が見えないって不安。速攻働いて、息子のクソ高い学費の心配から逃れたい、でも心は「まだ無理」と叫んでいる、どうする、どうする、どうする。


とりあえず嘆くだけ嘆いて飽きるまでやろうかなと思います。以上が、恵まれた軽症者家族の記録でした。
最後に、パルスオキシメーターと食料担当のうちサポダイヤルは繋がらなかったら可能な限り深夜に試してください。
そのほうがつながると思います。

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