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2015年11月11日 (水)

映画ヘルタースケルターをみる

映画ヘルタースケルター
スマホという文明の利器を手にしまして、
授乳中にアレコレ試しています。
そのアレコレの中に映画を観るというのがありまして、
そこで映画っつったら大きめの画面で感動が消えないうちに
一気に観る、というのを諦め
ぶつ切りに見てもまあまあそれなりの感想が持てるものだと学びました。

なんというか小さい画面での映画鑑賞は感覚的には
観る、ではなく見るに近いですが、それでも見ないよりかはいいかも。

さて、蜷川実花監督の映画、ヘルタースケルターですが・・・
感想的には「蜷川さん、舞台やったらいいのになあ」でした。
お父さんと被る事はしたくないかもですが、
この映画、映画的にはアリなんだけど
繰り返し観たくなる好きな手法ではないんだよなあ。

私は蜷川実花さんの写真集持ってるし、好きなんですよ。
なんというか彼女の写真を好きになったのは二十代でしたが
たまには少女気分に浸りたくなったアラフォーの今でも
安心してどっぷりできる色合いなんです。

これが淡いピンクや水色だと、ちょっと躊躇しちゃう、
でも彼女のつくったプロダクツなら安心して「センスがいい」という
範疇で人前でも楽しめるんです。

ただ、この映画に対しては
「ヘルタースケルターというお題で作った蜷川実花写真集」
という印象以上のものを持てなかったんですよね。

私は原作の岡崎京子さんのヘルタースケルターが大好きです。
この映画を踏まえて岡崎さんのヘルタースケルターの魅力に
ついて考えたんですけど、私は結構あの話、言葉の力も
大きかったよなと思ったんです。

それと「幸せ」になるために突っ走り続けるりりこに対して
自分の身代わりのいれもののように扱う社長
ショービズ界を闘う同士のようなキンちゃん
りりこに翻弄されながらも次第にむき出しになっていく
彼女の人間っぽい弱さに寄り添っていく羽田ちゃんと彼氏
そして敵対のような立場ながら互いに共感をよせる検事etc
そういった彼らとのやりとりがりりこの心理を表現もしてた

私は岡崎京子さんの描く女の子の堕ち方には
ある種の「みそぎ」を感じるんですよね

ある話では人間の弱さだったり
ある話では純粋さだったり
アタシはこの話からは感動するほど「這い上がる強さ」
を感じたんですけど
たぶん岡崎さんが描く「堕ちていく」ことってのは
人間讃歌だとおもうんです。

ヘルタースケルターの場合は、最後の最後の場面で
BGMとして流れている曲がヘルタースケルターであり
それによってはじめて、その彼女の疾走感とはまさにこの曲
だったんだ、と思う事で強くお話が印象づけられるわけです。

だから話の中盤で登場人物が
「彼女の生き方は正にヘルタースケルター」
とかいっちゃった時には「おい!この野郎!」と思ったし

原作での後半、羽田ちゃんの彼氏がりりこに
「俺がいないとりりこ一人になっちゃう」というのに
「うるせー」と暴言気味に返すから彼女の不器用さや
孤独が際立つのに

最初からりりこが「あたしひとりになっちゃう」
みたいなことを自分でいったら深みも立ち消えなわけですよ。
キンちゃん、なんだかあれじゃただのオネエだし。

原作を知っていたアタシは
「蜷川さんが岡崎さんのヘルタースケルターの世界を
実写で再現してくれる」
と思って映画を観てしまったけど、正しくは
「蜷川さんがヘルタースケルターをお題にした新作映像を
みよう」
と思わなきゃ駄目だったんですよね。

とにかく、絵を撮って印象づけるという足し算の作品すぎて
繊細な心理描写が台無しになっちゃってる印象です。
でも、これは映像のジャンルとしてはアリだと思います。
鈴木清順監督のピストルオペラを観たときを思い出しました。
あれは江角マキコ、綺麗だったなあ・・・話の印象は殆どないけど。

ヘルタースケルターは寺山修司の映画の方向で
処理して欲しかったなあ、せめて。

でも、蜷川監督が絶賛していた役者の熱演は
彼女の自己満で感じただけだったかっていうとそうではなくて
ちゃんとあったんだと思います
ただそれは、現場の中で。
彼女の作った舞台装置で役者はたぶん最高の熱演をしたんだけど
ただ真っ平らのスクリーンでそれを切り取るには
もうちょっと引き算や別な手法が必要だったと思います。

そんなわけで、私はこの作品、舞台で観たいな、と思ったんですよね。
一方で他の監督で新たに撮ったヘルタースケルターをみてみたい。

なんだか、息子が何度も泣いて、ぶつ切りな感想文に・・・
うーん、幼子をもちつつブログ書くのは難しいなあ・・・

でもエンディングソングのおかげで
THE MAD CAPSULE MARKETSが活動停止してメンバーさんが
AA=という名前で活動しているというのを今更知れたのは収穫でした◎

 

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