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2015年6月 2日 (火)

アタシの斜陽

アタシの斜陽
最近、ある印象的な鑑定を思い出します。
その人の目はキラキラしていました。
「自分は最近どうやら霊感にめざめました
そして音楽をやらなきゃという衝動に駆られました
どうでしょう先生、そう思うんですけど」

その人の目はキラキラしていました。
そして欲しい言葉はわかりました
「霊感にめざめた自分がやる音楽はさぞかし有名になって
広まる可能性があるものですよね?
なにか重大な使命がありますよね?」

でもアタシにみえたものは残酷でした
「この者が心のバランスをとるためには叫ぶとか
声を出すとかそういう作用が必要なので道が開くにすぎない」
御上の声はこういっていました。

なんというか言葉につまりました。
濁した記憶はありますがなんて言ったか覚えてません
だって、それはつまり、かつての自分だったから。

今の精神科のドクターが正直に語ってくれるなら
アタシの霊感は精神分裂病の一種です。
でも、霊感というものは実にはかりかねます。
それはギフトとして絶対的な権力や真実を有するものなのか?
その力は本当に大勢の人を導く力があるのか
その逆にまったく耳を貸さず無視しても良いものなのか

霊感をもっているという誰もがそこに向き合うのではないでしょうか。

ちょっと話が脱線しましたが、確かに自分も霊感に目覚めて
音楽を始めたとき、自分には何らかの使命があって
音楽をやる事になったのではないか
と熱く信じていました

恥ずかしいけどわかりやすい言い方をすれば
当然どっかのタイミングでメジャーにとりあげられて売れる
未来が待ってるだろう
みたいなやつです

でもそうやって妄信したからこそ、初期の酷い状態でも
ステージに立てたのだと思うのです。
そしてその季節が一段落した時にアタシは冒頭の人にあってしまった
そしてアタシはこう考えた
御上がアタシに音楽を授けてくれたのはやはり
バランスとりの一環だったのではないかと

アタシにとっての音楽とは一体なんだったんだろう?
そんなことを考えて結果分かんなくなり
アタシは今いくつかの楽器を手放そうとしております

ただ音楽をやったことに後悔はないなと思います
夫と出会ったのも音楽ですし
数は少なくとも、アタシのステージをみて何かを
変えようとかやってみようと思ったと言ってくれた人がいたし
ロックを感じると言ってくれた人もいた
それはすごく有り難い事です

ただこれは認めなくっちゃ
メジャーになったり一線で音楽をやってる人は
何かもっと違う世界を観ている

アタシが自分に対して反省があるとすれば
それはやはり、自分の歌詞やメロディーを
届ける努力をしなかったこと

アタシが鑑定の時にお客さんと話し
観た内容を紙に書いて渡し
その日の記憶と生きられるようにしたような
そういう努力が足りなかった

アタシの音楽は、アタシという魂を生かすためのものだった
そしてアタシはそれによって生かされたのだから
後悔は無いのです

でもこんなアタシが音楽に対して今思う事はシンプルで
音楽とは未来に希望を持つために奏でられるものなのだろう
と思います。

誰かみたいにロックやヒップホップを汚れた音だなんて
いいません(自分には分かんないっていえばいいだけだよね)
その歌詞の中で歌われるSHITやFUCKや諸々の言葉は
それを吐く事でなんか闘う元気が湧くとか、それですっきりして
先に進めるならいえばいい

それは汚い言葉を吐いたら天国に行けない、などと
怯えてストレスで心をおかしくするより余程健全な事です

そしてある日気付けばいいのです
「なんかぶっ殺せっていってもすっきりしなくなったよ」
そしたら変えればいい

アタシは息子につたえてやりたい
音楽は未来を信じるためにやるもんだと
形がどんなに変わったとしてもそこだけ変わんなきゃオッケーだと

思えばずっと得られなかった喪失を埋め合わせるために
何かをしてきた気がします
でも、自分が感動したことを伝えるとか分け合うために
何かをしたらどう変わっていくんでしょうね

最近はその延長かずっとこう呟いています
「幸せとは、なんぞや」
昨日の猫ヘルパーは生後7ヶ月の息子を猫が襲ったという話で
あのジャクソンがこの猫は赤ちゃんのいる家庭にはむかない
と決断して里親に出すという衝撃的な回でした

隣に座ったマサカドを見つめ
ケージの中のストクを見つめ
アタシは本当に猫を幸せにできているのか?
子供をもつという決断は安易過ぎではなかったか?
と思い悩んでしまいました。

悩むけど、今はあれだ、大丈夫ってことにするんだよ
息子がそう言ったって妄信するんだ
でもやっぱ考えてしまう
幸せとは、なんぞや?

アタシの斜陽
昨日お客様からまた新たに可愛いファイルと御守りが届きました
マサカドのための延命の御守が入っていました、嬉しかったです

最近はまた睡眠不足です、でも平和な理由
横向いて寝ると足だか手だかが敷き布団とお腹の間で
結構な存在感で当たるもんで落ち着かないのです

お腹の中にザリガニがいるみたい
何でザリガニかっていうと、小学校の時に
死んだザリガニの腹の中で動いていた蛆を思い出すから
うーん、喩えがろくでもないな、でもまあいい。

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