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2014年6月 7日 (土)

三人吉三とニルヴァーナ。


やっぱり今日自分がいないのは変だ、と思い
当日券販売開始ギリギリの時間にコクーンにいきました。
コクーン歌舞伎、三人吉三、初日。

立ち見を覚悟していましたが
昨日寝る前に見えたパイプ椅子席が本当に空いていて
座る事ができました。
大雨が自分にとっては有利にはたらいたのかもしれません
3階の奥は歌舞伎の常連さんがかけ声をかけまくっていて
まるでベテラン席の様相。

でも水の効果など全体を見渡せましたよ。
うん、私の周りって本当にコクーン歌舞伎観ないのよね
だからネタバレ気味に話しますが
なんでこの芝居にこんなにこだわるかと言えば
これをみたから

なんだこれ!なんだこのロックは!!

今回も紙吹雪観られるかな・・・・と期待と不安で観にいったら
観られました!!お客さん前から5列目くらいまでは
だんだんと雪が積もって白くなっていきました。

話の筋はウィキみれば分かると思いますが

アタシ流の解釈で現代風に話すと
歌舞伎町ではたらく窃盗癖のあるニューハーフ(お嬢吉三)が
風俗嬢から大金を盗むんだけど、それを
官僚だったオヤジが嵌められて一家が没落した
バンドマン崩れの半グレ(お坊吉三)が目撃して
その金よこせといって乱闘するとこに
親父の代から裏社会という筋金入りの若きヤクザ(お坊吉三)が
止めに入るんだけど、その金は俺が貰うがそのかわりに
俺の両腕ダメにしていいぜ、撃ちな
みたいなことをいうのでその男義に二人が惚れて
義兄弟になるが・・・・

みたいな感じでみるとかなりこのヒリヒリ感が伝わります。

今回の吉三の三人は勘九郎、七之助、尾上松也という
組み合わせなんだが
でもこの三人、立ち回りで出てくるだけで鳥肌
まさか自分が初日の序段で泣くなんて思ってもみませんでした。

三人が互いの血をいれた杯を飲み干すあとで
「俺らの命は儚いかもしれない、爪弾きものの俺らだけど
せめて悪事であっても生きた証に後世に名を残したいんだ」
みたいな台詞をいうんですが

なんかこの居場所がない孤独な三人が運命的に結びあった
この瞬間が一昨日くらいにみた
ロックの殿堂におけるNIRVANAと被ったんですよね。
コートニーが台本を無視してアタシたちは家族よ
っていってデイブに抱きついた感じと。


この一週間は本当にアタシにとって
「お前は何者なのか?」を教えられるような感じでした。

ちなみに今回は椎名林檎の曲はありませんが
ただラストはその等身大の若きアウトローの絆を全面に出す感じで
胸に迫るものはあります。

プライベートでも仲の良いものだから出せたし
やれたラストなのかも。

今回の三人吉三は役者の重厚感よりも
彼らの疾走感と魂の繋がりに意識をおいてみることをおススメします。
終盤に向けどう進化するんだろうか〜〜〜〜!!!

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