ドビュッシーとヨイトマケ。
昨日は橋本(→吉良)勇介くんと妻早織さんの結婚式でした。
会場はホテルニューグランドっていう結構な老舗。
ハッシーは周りの「きっと号泣するだろう」という期待を大幅に裏切る
上機嫌ぶりで、終始ニコニコしながらポマードの香りをがんがんに
ひろめてました。
そのウォーズマンみたいなヘアはどうしてそうなったんだ?
と聞いたら。今朝床屋さんに
「デニーロみたいにしてくれ」と言った結果だとか。
披露宴のホールはこんなにもレトロでゴージャス!
新郎新婦手前の席でノリノリの我々夫婦。
前日朝5時までゲームしていた夫は
新婦友人のドビュッシーの演奏中に爆睡しました。
眠気と闘う顔です。あ、この撮影は朧月ムメイさま。
脂もっさりローストビーフ!
美味かったけどミトラの脆弱な胃を激しく破壊した一品。
その前にはシュリンプドリアが出まして美味しかったんですけど
「アタシにはサイゼリアのミラノ風ドリアのほうが口に合う」
と言ったら夫にとても悲しそうな顔をされました。
極限まで舌が貧弱な料理人の妻です。
今朝、セットのヘアピンをもりもり外しながら
式を回想していたんだけどしみじみ良かったと思って回想してました。
彼とは渋谷APIAのロフト楽屋で「同い年なん!?」なんて
会話してもうきっと6年はたったか経とうとしていて。
あの頃、髪が長くて、一本に縛っていて
まだタバコガンガンに吸ってて「結婚?いやまあそんなね、ケーッ」
とか言ってたハッシー。でも既に早織さんとは付き合って一緒に住んでて
「小説を書いたりする子なんだ、面白いから唄も歌わせてる」
と言ってCDを渡してきた。
その早織さんの大学の先生が生涯で三度目という特別な理由で
式に来ていて、彼女の小説を「奇怪」と評していてスゴく気になりました。
世に出るまでにはその人に必要なだけの時間がかかると
彼はあたたかく新婦に励ましの言葉をかけ
涙ボロボロの新婦の肩をハッシーは何度もポンポンと叩いてました。
アタシはハッシーの髪がどんどんと短くなり
短くなり終えたら金髪になったりという過程を
夢今のオーガナイザーとしてずっと眺めてきてるんです。
彼が何故夢今に出続けるのか理由はハッキリ聞いてないんだけど
でもいつかのメールで刺激になると書いてくれた事があった。
アタシにしては珍しく、仲違いになったのにすぐ仲直りした相手でもあってね
「こういうのはちゃんと声で電話とかで話さんと」なんて彼は言ってました。
その彼は結婚式の最中、職場の仲間や川崎の音楽仲間や
色んな人に囲まれていて、印象的だったのは段に上がる人たちは皆
夫婦と友人みたいになっていて式独特の片方には始めまして
みたいなぎこちなさが無かったこと。
川崎では二人で歌う事もあるそうで、その共通の友人が
二人のリクエストでヨイトマケの唄を歌い、二人はそれに
まっすぐに視線を向けて聞き入っていました。
終始皆彼との関わりを楽しんでいて、
最初の乾杯の挨拶はミュージシャンの友人でね
その人の結婚式でハッシーは号泣したのだとスピーチであかされたり。
アタシが結婚して、ハッシーが夫と仲良くし出した頃、
一通のメールに
「二人をみていると結婚て悪くないかもなと思うようになりました」
という一文がついてきたんです。そっから1年もしないうちに
ある日謎の侍みたいなメールが来て彼と彼女が入籍したと知りました。
でもうちらだけじゃなくて彼なりに音楽仲間の結婚とかを
経るうちに結婚に対してかまえていた色々が解けたのだろうなと思います。
そんな彼が観ていてほしかったであろうお父さんは
今年の夏になくなったんですよね、式でも司会さんが触れていたんだけど。
六月の大塚の音楽祭で末期がんが見つかったと
アタシたち夫婦が聞かされてからそこに行くまでは
アタシが思うよりずっと早かったです。
「結婚準備でやめた嫁がずっとそばについててくれて助かってる」
と彼が言っていたのを思い出します。
そのお嫁さんは結婚式の最後に親にあてた手紙で
「義父の見舞いで暑い中自転車をこいだ日々はいい思い出になった」
と回想し、新郎はその妻の挨拶のあとでこんな言葉で場をしめました。
「早織ちゃんは無愛想だけど本当は笑顔が可愛くて優しくて
そんな彼女と結婚する事が出来て僕は幸せです。」とね。
それはハッシーの見せた中でも一番くらい清々しい笑顔だった。
実は親父さんがなくなった時に、親父さんに伝言を頼まれたんです。
というかハッシーが心配で電話したら話しかけてきたってのが正しくて
泣きじゃくる息子をからかいながらも、彼の将来や心残りを払拭するようなことを
一個一個きちんと話していきました。
電話をきるとしばらくそばにいて目を丸くしながら
「あんた、本当に聞こえるんだねえ〜〜〜」とオーバーリアクションして
笑わせてから最後に「じゃ、また世話になるかもなイタコねーちゃん」
といってかえっていきまして、随分脱力したのを覚えています。
なんとなく一方的に笑わせられるのもなんだかなと思って翌日
その背中に
「あの、いいんですか?すごくネタみたいな伝言ばっかでしたけど
他に伝える事ないんですか?」と聞いたら
ちょっと間があってから
「一緒にいて楽しかったな!」てニッと笑って伝えてくれと言われてね・・・
その笑顔がその挨拶した時の笑顔とかぶって
親子なんだな、あの人の息子なんだとアタシは思って
実際にあった事ないのになんか切なくなりましたよ。
って本当はこういうのは書くべきじゃないんだろうけど
でも伝えたくなる、そんな憎めない、魅力的な人だった。
ハッシーとディーバダッタモードのアタシが話したのは
この一回で、多分もうないと思うんだけど
アタシ的にはちょっと気持ち悪い思いをさせたなと思って封印してたんだけど
退場の時に母に「親父ンときちょっと世話になってね」
とやさしく囁いてくれたのが聞こえてうん、つまり、ハッシーは
こういう奴なんだなと思った。
ん、ありがと、ハッシー。そのまんまのアタシに居場所をくれて
でもって夫も大事にしてくれて。
夫とあなたが楽しそうにスタジオ入ったのに嫉妬してごめんよ。
でもアタシはリズムがどうとか駄目出されてばかりいて
縮こまっていた夫のドラムのよさを見つけてくれて
楽しそうにやってたのをみてとても嬉しかったんだよ。
沙織さんのくれたクリームも大事に使っているよ。
今年は早く寒くなったから重宝しているよ。
おめでとう、お幸せに。末永く、互いを大切に。
おまけ
結婚式の二次会の晴れの舞台でウェディングソングを歌う新郎。
妻の才能と存在を愛し、仲間たちの喜ぶ顔がみたくて
テンション高くとばし続ける男は
昨日、仲間にも双方の家族にもとても愛されて祝福された日を
すごしましたとさ。
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