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2013年6月28日 (金)

そういえばグランドマスター

そういえばグランドマスター
アタシの美意識と世界観を決定したのはウォン・カーウァイ
なんじゃないかと思うくらい好きな監督で、
でも最近観にいって無いんだよなあと思っていたら
なんとカンフー映画に挑戦したとの事。

絶対ラヴとロマンあふれる感じなんだろうなと思ったものの
夫を「カンフー映画観にいこう」と誘って封切り初期に行きました。
だって、主人公、名前が葉問(イップマン)ですよ、イップマン。
トニーレオンがやってるんだけども
何そのカッコいい名前、葉っぱじゃなくてお前に問うよ
なによそれ、イップマンぐらいの気持ちでいきました。

さて、二時間の上映時間に起きたストーリーを
夫が帰り道にまとめたまま紹介すると
「家に金があってゆとりブッコいてたオジさんがキャバクラみたいなとこに
嫁までつれて通いまくってたんだけど、戦争が始まって貧乏になって
やっと働く大変さを知ったとか調子こいてたら娘が死んじゃって、
そこでやっとカンフー教えて働き出すんだよな。
振った女にカンフーをすすめる極悪ぶりで、話の最後を締めるのは
ブルースリー。オッサンは出て来て最後にイップ爺って呼んでくれ
とかカッコつけて終わってなんなんだよ笑
むしろブルース・リー、話出て来てないだろ!笑」

という感じでしたがまんまその通りです。

アタシ的にはルオメイってチャンツイーがやってる
女格闘家がいるんですが
この人、会場の誰も望んでないのに親父負かした
イップマンを倒しにいったり
親父が「復讐とかするな、幸せに嫁にいけ」と伝言してるのに
「いや、うちの恥だよ、かっこ悪いよ」といって父を殺した弟子に
復讐したりして
(余談だけどこの弟子、殺したというより親父の打ち所がわるくて
死んじゃったってほうが近い気がするな)
一応勝つんだけど、そのあと自分の存在意義を見失って
阿片漬けになって病死ってとんでもなく報われない死に方をします。

もうね、彼女が死んだってクレジットみながら
新手の女性手帳かと思ったよね。
将来のこと、よく考えず、その場のノリで感情で流されて
行動すると痛い目に遭いますよ的な。

最近多いなあ、キャリアっぽい生き方をする女性の
ネガティブな側面を描写する話。

でも一番アタシが好きなのはチャンチェンていう
若い時の渡辺謙みたいなシュッとした切れ味のある顔した
イケメンですよ。
この出演俳優は皆監督から撮影の前段階で実際に
カンフーの習得をさせられるんですが
彼、武術大会で優勝しましたからね。
パンフでも三番目に大きく扱われている役者でね。
カンフーシーンも迫力があって素敵なんですが
何が一番いいかってその
本編にほとんど関係ないんだこの人。

逃避行の最中にルオメイに列車で恋人のフリでかくまってもらう程度。
電車で腹痛おこしたら、前の席の女性が正露丸くれたくらいの
関係性ですよ。で、実は彼、香港でルオメイを見つけるんだけど
「あれ?」ってチラ見して終わり。

似てるけど確信が無いから声かけないって現実に忠実過ぎ
ドラマなんだからなんかこう、動かせよ!!!!

もうチャンチェンには心から言ってあげたい
武術大会、優勝出来てよかったねと。
それだけでこの映画に出たかいあったよ、良かったよ。

ウォン監督ってセンスある小品のあいだに
まとまりがつかなくなる大作やってよく行き詰まるんだけども
そのうまくいきそうでいかない切ないロマンチックな雰囲気押しで
客を酔わせるのは限界なんだよ、特に大作。
高校生のアタシは充分に酔ったよ、幼かったしカルチャーショックだったから
でももう三十代入ったからね、色々見えちゃうから、ほんと見えちゃう。

やっぱ作品は言葉を使わないでやる
とある人間の意見みたいなもんだから
最後にはうまいまとまりをつけてほしい。
上手な伏線回収というやつですよ。

ライブ行った後であのバンドのアレが良かった、この曲がどうとか
たまにまとまりつかないで喋る人がいると
とりあえず、言ってる意味はよくわかんないけど
「ああ、そんぐらい興奮したんだな」と
友人だったら大人な解釈して微笑ましく回収するときあるじゃないですか。

それを
「ああ、監督本当にカンフーやりたくなったんだね、あれもこれも
詰め込みたくなったんだね」
とか客に解釈させるなよオッサン!!一流監督なんだからさあ!!
と思ってしまった訳です。

これがここ数年になって、ウォン監督の映画はDVD出てからレンタルで
いいやとアタシが思うようになったゆえんでした、思い出しちゃった。

でもいいとこもある。
日中戦争で日本軍が進駐して来たことが
中国に住んでいた一般の人の人生を変えた
ということが淡々と書かれていて
アタシ達が沖縄戦とかひめゆりの塔なんかの話で被害者として
戦争はいけないと思っていた事が
同じ悲劇を他国でもおこしていたんだと分かる事で
第二次世界大戦への見方がもう少し広がる。

あと、猿。

夫が事前にネットでレビューみて妙に猿が印象に残るらしい
とワクワクしていたんだが
ルオメイんとこの部下の肩に乗っかった猿がいて
ところどころ良い叫びをしたりして確かに良い仕事してる。

キョエエエエエエエって叫ぶあの猿のシーンは確かにいい。
一個一個は相変わらず美しい要素であふれてはいるの だ が 、
って感じかな。

この記事読んで観にいきたくなった方、
他の映画に率先して行動する事をお勧めします。
なぜって?いつ終わるかわかんねえからだよ!

本日のヘッポコレビューおしまい。


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