わたしはあなたと
「わたしはあなたと」
わたしはあなたとずっといっしょにいたかった
夕暮れの街をごはんのにおいを嗅ぎながら歩きたかった
夜の静けさの下で月をみてすごしたかった
朝のざわめきをかんじながらねぼうして起きたかった
昼下がりにカフェでおそいご飯をたべたかった
「ばいばい」とあなたがいった
「ばいばい、ざんねんだけど僕と君は違うにんげんだった」
ちがう人間だからこそみてたけしきがきれいなんだ
とわたしはおもっていた
もうだめなようだった
すがすがしく別な方向をむいたあなたの横顔を
くもらせないようにわたしは
さいごにあなたの小指にそっと自分の小指からませてにぎった
きのうまでの大切なぬくもりが
今日そっとこうしてはなれる
わたしはあなたとずっといっしょにいたかった
わたしはあなたとずっといっしょにいたかった
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