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2011年3月 8日 (火)

悪魔を憐れむ唄?

悪魔を憐れむ唄
「前世でチーズと赤ワインを貰うのを条件に契約し、
自分を苛め続けた人間を遊んでいた小屋を火災せしむることで
願いをかなえたが、自身も逃げ遅れて怪我をしたからと逆恨みし
契約を不履行したのでこうして今も憑いている」
という悪魔にうっかり鑑定中に出会いました。

希望した相手を一瞬で死に至らしめる苦痛を与える代わりに
自分は死を逃れる分一生の苦痛で同等の対価を払うことになる
というのはパワーバランス的にありうる話だよなあと思い、
(かといって念を押しておくが南半球で起きた
いたましい災害とは別な話である)

「アタシがじゃあ、ワインとチーズあげるから、もうその人に
つくのやめなってばさ」
と言ってしまい、帰り際スーパーで要望の品を買いそろえ
自宅残業することになってしまいました。

帰宅して部屋の電気を消して、とりあえず悪魔に波長を
合わせる事にしたのですが、呪文とかよくわからないので
とりあえず、サイコビリーかければ何とかなんだろと思い
Monstersをガンガンにかけて探し回ったところ
ウチの寝室に待機する謎の四足の天使と
風呂場に体育座りしている奴を発見しました。

カーテンを閉めて外と遮断すると蝋燭をともしたダイニングに
現れ、アタシの前に彼は座り、用意したワインとチーズ、
それとおまけの生ハムを左端から一気に平らげました。

「いっとくけどアタシ新婚さんだから、ここで乗っ取られても困っから」
と注釈すると顔をあげ
「俺もベルゼブブに忠誠を誓った身だが、素でケルビムを召喚する
ような奴にうかつに触るかよ」
と吐き捨てる悪魔。

その日は一日相談者に溢れて呼ぶどころじゃなかったので
ああ、テッチャンが仕事したんだなと思うアタシ。

待望の品々を食した彼は落ち着いた様子で蝋燭を眺め
「欲望などこの蝋燭のように儚いものだ」
と細身の身体を陰に揺らして呟きました。

欲望は肥大し、それを食い物にするのが悪魔では?

というアタシに彼が言うには

「お前らが欲望を肥大させるのは他者を意識した時だ
あの人よりも、あの人みたいに、もしくはアイツを、
他者に何かを及ぼそうとする力の根源こそお前らが
善と呼んでるものだ。もしくは、愛と呼ぶものと表裏一体だな。
それと結びつかない欲望など、儚いものさ。」
と肩をすくめるように話し、そして皿を見つめ

「この肉は、元々、牛がよく生きようと整えた体組織を
お前らが勝手に加工し、この乳は母ヤギが子ヤギに与えんとする
過程を遮断しより長く搾取するためにかため、この葡萄酒は
来春も実をなさんと言う食物の祈りを潰し作られている
地に深く潜り純粋さを保つ我らと肥大するお前らとどちらが悪か?」

とさらに続けました。

ああ、なるほど、そうともいえるかと相槌をこちらがうっていると
まっすぐにこちらを見つめ

「でもお前らは天とわれらの中心に立ち両者を存在させながら
危うくバランスを保ち現実を生きる、その過程は面白くあるよな」

とニヤッと笑うと右端から砂のように身体を崩して消えました。
存在の余韻を感じながら彼の残りのワインを啜り
言葉の意味を考えながら

ああ、自分はこの危うい感情のバランスの操作にばかり
興味があるのはやはり人間でいたいからなのかもしれん
もっとも人間臭い人間と言うべきか・・・

などと小難しいことを考えていたら酔っぱらってしまい
眠くなってベッドに入って潰れているところを
帰宅した夫に発見されました。

彼が言うには「変態セバスーあははははー」と言いながら
ブラをかぶせる等の奇行をはたらき
ろれつが回らない感じで「ケルビムさんが~」とか言ってたとか。
彼はそれを好意的に解釈し、翌日ブログに
「妻は悪魔と闘ったつもりで天使さんに会ったらしい」
というなんともファンタジーな記事に仕上げて書いてました。

でもそれに対してマー君はさらに飼い主に冷たい猫になりました。

とはいえ、やっぱお祓いはパワーを使うし家庭を守りたいから
やっぱ別途お金貰わないとな....と反省したアタシでした。

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コメント

 悪魔の言った事、何かすごくしっくりきました。取りつかれるのはあれですが、話せたらあんま怖い存在じゃないかもですね…っていうか見た目と言動があまりに可愛いんで素で忘れてますが、テっちゃんマルコキアスなんだよなぁと改めて理解しました。

 そしてヴィヴィアン嬢のオチは案外その悪魔さんの悪戯なのか素なのか(笑)。とりあえず自分もお払いでお世話にならない様にしっかりしないとなと思いました。

投稿: まお | 2011年3月 8日 (火) 06時27分

おっ、おもしろいです(笑)
悪魔と落ちついてそんな話をしているなんて…危害を加えられなくて良かったです、さすがミトラさんだ♪
まるでゲゲゲの世界ですね。

投稿: カモミール | 2011年3月 8日 (火) 13時21分

まおさん>そう、そうなんです、なんかしっくり入ってきた。むしろテッちゃんがちゃんと仕事したのに違和感(笑)


カモミールさま>極端なポジションに存在するものは善悪問わずスジが通っているから楽です。むしろ揺れ動く人間と生きるほうがカロリー使います。そこに生きがいがあるんですけど。

投稿: ヴィヴィアン | 2011年3月 8日 (火) 18時44分

なるほど~納得です☆

投稿: カモミール | 2011年3月 8日 (火) 19時13分

 何か後ろのどなたかさんが(まあ予想は付くと思いますが)『だってミトラがダメになったらテっちゃんお菓子食べらんなくなるじゃん。守らないと』とおっしゃってますが、事実はいかがで・テトラ先生(笑)

投稿: まお | 2011年3月 8日 (火) 20時17分

悪魔のお話、気になっていたので記事を拝読してなるほどと思いました。
ケルビムが好きなので、いつにも増して興味深いお話でした。

投稿: patty | 2011年3月 8日 (火) 21時07分

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