
pulseの感覚が段々と短くなってきてるなと思いだした刹那であった気がする。いきなり自分の声帯と顔の筋肉の使い方が変わって、目から涙が溢れた。
死者の声の振動を言語に直して伝える感覚って鼓動を数えるのに似てるからついpulseなんて呼んでしまう。
でもあんまりにもこの日は同調率を上げすぎて、珍しく体に霊を降ろしてしまったらしかった。
胸がムカムカするので横になっていたが、風呂だけでも…と這い出したが、いつもの半分も湯船につかれず結局吐いた。
魂にはそれぞれのリズムがある。自分と違うリズムを取り込んで急激に戻すのは60回転のレコードをいきなり45回転にするようなもんで、体にバグが生じるのかもしれん。吐くのは再起動に似ている。
でも濡れて帰ってきたし、最近うまく寝付けてなかったし、落ち込む事もあったし、何が原因かは結局わからん。
でも、うがいした後で「誰でも出来る仕事じゃねーしな。」と思った自分がちっと誇らしかった。お客様が時間をかけて授けてくれたプライドだと思う。
と同時に、アタシはたぶん愛するために生きているんだなあと思った。
20歳前後、腕にカッターで傷をつけて学生してた頃、とある講師の先生に「なんで生きているんかわかりません。」と言った事がある。
「生きるために生きているに決まってるじゃないか!」と彼に言われたが、その時何かずれて感じたのはこうだったからかと思った。
人とガチでぶつかって悩んで、「受け流しなさいよ」と言われる度に苛立ったのはこのためかと思った。
アタシさえ生まれて来なければ!とカビ臭いアパートでカッターをあてながら、アタシは、この人格と生き方を認めて貰えない悔しさを嘆いていたんだろうと気づいて心がまた一つ整理された。
今日も自分がいることを有り難いと思うほど素直ではないが、この人格のままアタシがこの世界に保持されている事をおめでたいと思う。
たった一人のパレードになったとしてもアタシはアタシでこの世界に存在する事を自分の力で祝福し続けるさ。
と思ったら少し興奮したんでサイダーに少しテキーラを入れて寝た。