げろしゃぶの妹、出演者によるライナーノーツ。
新宿二丁目タイニイアリス、あなたがその階段を下りてチケット代を払い、目にするものは可能性の物語だ。扉をくぐったあなたは目にするだろう、それは「森」以上も以下もないものだ。「森」はあなたに提示するだろう、それは「懐かしさ」かもしれないし、「恐怖心」かもしれない。そうなのだ、この物語で提示されるのは可能性とそのニオイなのである。いや、物語というよりニオイというべきかもしれない。あるぬぐえない状況を経験した人間はそれをトラウマとするのかバネにするのか、それによって以降の人生はかわる。
しかし、トラウマとしてしまった人間が軟弱かといえばそうではなく、彼らはそれと向き合い、刷り直すことで人生が好転するとどっかで信じているにちがいない。「取り返しができぬ」と嘆きながらも、それと向き合い嘆き、断片をつかもうとすることで実はハートを躍動的に動かしたりするのだ。そのパワーに対し軽やかに提示される「乗り越える」、もしくは「水に流す」という選択肢。脚本はそこを暑苦しく提示しているわけではない、ただ淡々とその状況下のニオイを出し続けて進行する。こだわるのか、乗り越えるのか、戦かうのか、それとも挑戦するのか…..?
この舞台をみてるあなたを通過するのは間接的な匂いだけではない、さまざまなシチュエーションで試されるように残される匂い、どうかあなたにはここも味わってほしいのだ。仰々しい仕掛けをしているわけではないがその仕掛けの具現化は、代表錫村聡によってセンス良く提示されるのでお楽しみに!しかし、客席20席分を残してあと全部舞台にしてしまったこの舞台、とりたて記憶媒体に残る処理はしてないが出演してるアタシが気分があがるのよ。だから是非来てほしいなあ。
19日微妙、あとの日程はどこも大丈夫です。
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