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2008年11月 7日 (金)

愛しい詩人よ、君の名はイダヅカ(動画つき紹介)。

写真と動画は2008/10/12「夢よりも今を語れ第四夜」学芸大学アジアンカフェにて

撮影は六九狂ヴィヴィアン

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 誠実であることは、表現者にとって最も重要な資質だと思っている。それはファンに対してというよりも彼や彼女自身に対して。それは移り変わる自己に対してでもあるし、どんなに周りが求めたところで自分がそうしたくないことを曲げない孤独に耐えることでもある。アタシはそんな渦中で心が移ろう彼に夏の日に本当の意味で出会った。


 ベンズカフェの朗読でアタシのリーディングの何かを好きでいてくれた奇特な青年、はアタシのオープン/エントリーマイクである「夢よりも今を語れ」に突然やってきた。オープンマイクとはいえ、20人くらいで酸欠になるほど小さい店で行われる癖のあるアタシの会に言葉一つで乗り込んでくる詩人てのはかなりの勇気がいるはずだ。アクシデントで共用のギターの弦が切れた時に「とびいりするかい?」と声をかけたら二つ返事で壇上に上がった。やるじゃんね、と思った。アタシは領海侵犯してくる人が好きだ。ドキドキを抱えて、一か八かで飛び込んでくる初心者みたいな気持に何度でも挑戦する勇気は使わなきゃ錆びてしまうから。そして彼は晴れてユメイマの常連になったのだ。


 夏の日、アタシは彼の朗読スタイルをやる気がないと否定する人間がいることを知って腹を立てた。どいつか知らないがいけすかんと思った。正直、勢いのあるリズムとフロウと声の出し方で突き進む朗読者のほうがインパクトと人気と賞賛を受ける世界だとは思う。だけど、イダヅカマコトの書くことから始まる詩は、彼の静かな語り口でないと成立しないものであり、それゆえに、そのボクトツとした感じを味として極めるべきだとアタシは思う。アタシにとって彼の詩はリヴァースなのだ。文学ハードコアを標榜しながらナイーブな日本のリヴァース・クオモ。Weezerのピンカートンみたいな。難しい言葉と、吐き捨てるように欺瞞を否定する書き口をする詩なのにアタシにはイダヅカ君の詩はナイーブだ。こんなことを思うのは、この前千石の朗読会で彼の読みだした詩の「電車で乗り合わせた美女に声をかける勇気を鼓舞するための」という始まりが愛した彼女はレズビアンだったとかそんなことを歌ってた頃のリヴァースに重なったのかもしれない。いや、いつもアタシの企画でステージ一番前で楽しそうに踊ってくれるピュアネスのせいかも。


 今回の企画、アタシは彼の力を借りて新しいチャレンジをしようと思う。実は詩人さんに合計30分出演してもらう構成をねるのは初めてのことなのだ。言葉の表現者を音楽を聴くのになれた耳を持つ人の中にぶち込んで飽きさせず、しかもなくてはならないパーツとして登場させるという怖さ。でも、「東京、あかね空」というロックマインド寄りのネオフォークを打ち出す今回のイベントを考えたとき、すでに彼は絶対にいなきゃいけない人だった。だって純情なハードコアだもの。最後に彼の詩の「小さな声のオード」という奴からアタシの好きな部分を抜き出してみたいと思う。

 

テクノロジーと歴史に覆われた世界は一つになることはない

どんなに早く遠くに着いたところで

俺ときみとの距離が肌二枚分から変わることが無いように

 

だから時間を断ちきる大きな声をやめて

もっと小さな声で語ろう

 

ああ、イダヅカ君、あなたを馬鹿にする人を永遠に怒れるようなそんな詩人でいてほしいわ。

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コメント

うわーうわーと叫んでしまいました。
会社ではづかしくてかおまっかです。
やる気がないとおっしゃったのは本当に誰だろう
お会いしたい。

がんばります。

投稿: イダヅカマコト | 2008年11月 7日 (金) 14時50分

イダクン>期待してるぜ!

投稿: ヴィヴィアン | 2008年11月 7日 (金) 16時50分

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