ミチロウさんとの楽屋裏。
写真はライブ後の帝都最後の妖怪女 六九狂ヴィヴィアンと
出陣前のパンクの伝説 遠藤ミチロウ氏(写真掲載許可:渋谷APIA)
今夜 新宿紅布 19:00~出番
ブログミタと一応言ってみて。
所用があっていけなかったという友人から6/29のミチロウさんとのライブについて聞かれるたび、アタシは「まずアイシャドウの銘柄きいてお話して一緒に頭くっつけてシャメ撮った」と答えた。すると友人がなんて女子高生のような爽やかさだと感嘆した。うん、その日は実際、外の豪雨がどうでもいいくらい爽やかだった。その日、リハを終えて階段を昇って楽屋に向かうとミチロウさんがメイクをしはじめていた。アタシは馬鹿なので大体においてあの顔がメイクであることを忘れて毎回激しいクマだと誤解しているのだが、今回もああそうだったと思いなおしてしまう。
「ミチロウさん。」ん?と彼は聞き返しながら小さな鏡を見ながらこっちを向いた。スーツケースの中にはたくさんの弦のセットが見える。「アイシャドウは何使ってるんですか?」「ああ、これはマ○ーク○○トだよ。」「えっ!マ○○ワですか!?」アタシの声が意外なテンションで上がる。「でも使っていた品番がなくなってしまってさ」「近い色を見つけて何重にも重ねたらどうですかねえ。」「って馬鹿、それじゃ結局同じ色が濃くなるだけじゃんか」「あ、そうですね。」そうこう話している間もミチロウさんはアタシの隣でどんどん遠藤ミチロウになっていく。アタシは網タイツにミニスカートという売女な格好でそれを正座して聞いていた。で、時々挙動不審になってミチロウさんのタバコの吸殻をそれと気づかずにいじっていたのを彼はみて見ぬふりをしてくれた。
アタシはさらに聞く「ミチロウさんはたくさんの人にミチロウさんと言われるわけで、そういうのにどう対処してるんですか?」ミチロウさんは眉を書く手をとめて答えた「そーねえ。」「でも俺はそういうの流せちゃうからねえ。」それから話はいろんな方向に飛んだ。彼が音楽を始めたきっかけとか、TV出演した時の話とか、現代詩と古今和歌集とか万葉集とかの違いとかを引き合いに出しながら、声に出す詩と読むための詩は違いますよね?とか。話は確かブログを書くことにまで及んだ。あと、霊能力をもって鑑定するとはどういう感覚か、とかいう話もちょこっとした。その頃にはミチロウさんは楽屋の大鏡で化粧するのをすっかり諦めてしまい、アタシのほうに顔を向けて小さな鏡で顔をつくっていた。アタシはそんなミチロウさんにヴィヴィアンちゃんとか呼ばれながらとめどなく話を続けた。話が秋葉原の事件に及んだあたりでアタシは呼びに出され、階段をおりる途中で「じゃあ、ミチロウさん、ステージをあっためてきます。」というと「別にいいってば」と答えたところに優しさを感じた。
印象的だったのは「秋葉原の犯人のような心の闇は皆が持ってるものなんだ」と彼が熱く語ったことで、アタシはその続きが話したくてここが飲み屋だったらよかったのにと思った。ミチロウさんは人の質問に誠実に答える人で、なおかつ、相手を見ながら話す人だった。ちょっと前に狂人日記という本の特集をTVでしてた時、柳美里がこんなことを言っていた「闇ならばどこまでも闇を照らせる」。ミチロウさんは本質的にそれを知っていて、どっかでそれを自分の立ち位置だと覚悟してる人なんじゃないかと思う。
とにかく満足した。久しぶりに、アタシの幼い部分や、歌うということや、言葉を編むということや、社会とかその辺のことをガチで話せる人間と楽屋で満足いく会話が出来て。しかし同時に迷いはじめている。もっと凄い人に会いたい、一線の人と話したい、深い話がしたいという要求が抑えられない。ライブが出来て欲求不満を解消出来りゃそれでよかったのに、認められなければ意味がないという思いが当たり前のように生まれて苛立ちが募る。正当な評価を下して応援してくれるハコを選ぶことに謙遜してる場合じゃない。傲慢にもそう思いはじめているアタシ29歳の夏。
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コメント
お疲れ様でした!
女子が健気に『ミチロウさん』に向かいあってる姿は感動的でした。
それを見届けることが出来てよかったです。
ちなみに、私、携帯がおそろいだった==。
それは、今後の独○パ○○でお伝えすることにします^^。何か恥ずかしくて、話しかけられなかった。。
投稿: ふっきー | 2008年7月 8日 (火) 03時42分
ふっきーさん>当日は話しかけてくださってありがとうございました。そうですかー、携帯、きっと一緒にキャッキャして下さいますよ☆ではでは。
投稿: 六九狂ヴィヴィアン | 2008年7月 8日 (火) 16時07分