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2007年8月19日 (日)

デットミート、デットミート。

K3200001
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今日は東高円寺 カットーにて18:20~ライブです。
良かったら遊びにきてね!

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ずいぶんと日数空いたんでねえの?そうです、だって物凄く眠かったんだもの。どんだけ落ち込んでても書けた文章が眠気に負けてます。健全です。サマソニ07の刻印というべき肩の日焼けが悪化し、随分とケロイディッシュなことになってきたよ。今年のマイブームはタンクトップだったのに、もうおうちの外では着られねえ。

さてさて、サマソニにて待ちわびたショーン・レノンを前から二列目で観てきたんだ。セッティング時間は15分。フェス中のステージのハシゴを覚えちゃうとこの時間って異常に長く感じる。耐えられるかなー?とか思ってたら前がざわめいた。ショーンだ!セッティング中にうかうか出てきちゃった。パナマチックな麦わら帽子に造花の赤い花をつけてボーダーのシャツを着てる。小柄なビューティフルボーイ。でも僕にはどうしてもカトちゃんに見える。彼の音楽への方程式は何か奇妙だ。たとえばギター。彼はライブの間中、たった二本のギターしか使わなかった。しかも10年前からずっとこれしか使ってませんといわんばかりにエレキの腕のあたる部分の塗料は剥げ、アコギのピックガードの先もピック跡ではげ剥げになっている。大抵ミュージシャンの友人の日記を読んでると、彼らは貪欲に新しい音質を求めて最新の楽器を楽器屋で試しているんだけど、彼のベクトルは全く逆に思えた。ついにはメンバーまで招集して一個一個の音の質を自身の理想と完璧に一致するまで練り上げる。まるで新しい絵具を足すよりも墨の濃淡にこだわっている感じ。

そしてあと6分待ってね、と時計を見て正確な待ち時間を告げた後、彼が出てきた。彼とメンバーとが属するコミュニティはLAで経験した日本人のコミュニティと同じ空気がした。日本人の中に日本語が上手な誰かのウエスタンな彼氏が混ざってるそんな感じ。

彼がマイクに口をつけた。彼の存在はクリスタルの輝きみたいに脆さと壊れやすさをまとっていて、それゆえにリスみたいに可愛らしくもあり、なんというか愛くるしい。でも、たった一言で波打ち際の空気はおそろしく変わった。僕は息を呑んだ。おそらく、言語化しないだけで周りも同じものを共有したと思う。誰もが何も言わなかった。音楽が流れているその数分、そして彼が歌い終わるとどよめいた。シンガロングとか、歓声とか、そんなものは夏フェスで当たり前に起こる。でも曲のあとの静寂を破って「おおーっ」と客が騒ぐのはこれが初めてだった。泣きたい気分にさえなった。魂の極限の純粋さに触れると、時々、それが実際に存在している奇跡に感動しすぎてどうしようもなくなる時がある。

 演奏中、彼はメンバーの一人一人とコンタクトする。ギター、ドラム、ベース、オルガン、一人一人と向き合って音を合わせる。ステージの上でも彼は個人的な会話を楽しむ指揮者のようだ。人間たくさんの人との出会ってるとその中に出会った瞬間に大好きになるタイプの人というのがあって、そういう人は例外なく存在が愛くるしいのだけど、ショーンは確実にそのカテゴリーに入る人だと思う。皇室アルバムでみる皇太子とご学友のグループショットを見たときと感じが似てる。彼らにとっては普通の出会いなんだけど、第三者から見るとそれはすごく神聖で特別な印象をうける、そんな感じ。彼と友達になれたら間違いなく幸福であり、そして友達になれないのなら、せめてセッションをさせてくれと頼みたくなる。音で濃密に感性と感覚をあわせて彼が友人と語らう仲ですごしてきた時間と同じだけの関係性を受け取りたい、そんなことばかり思わされて僕は彼のライブを観るという選択肢に忠実に動いた自分を本当によくやったといいたかった。彼は・・・天才だ。

 ジョンとヨーコの息子だから特別、というよりも、純粋さを守るためにこの環境を選んで生まれてきた人、そんな言葉が彼には良く似合う。


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