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2007年8月24日 (金)

抱いて頂戴。

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PARA氏が愛についての朗読をした。舞台はPARA-KYO-BAKO一発目。詩人界隈のお客は言葉に真剣に耳を傾けてくれるからいい。

 詩の中で彼は月に一度の風俗通いについて語った。しかし、100%の真実ではないかもしれない。読まれた場所は舞台なのだから。しかし、詩人は本質的にぶっちゃけ気質があるのだから本当かもしれない。唯いえることは「ぶっちゃけ気質を持つ人間は自己の社会的肯定の手段として詩人という職種を選ぶ傾向にある」ということだ。詩人をやるからには自分を晒さなきゃいけない、というのはナンセンスだ。その言葉を言わせる感情が詩人というコミュニティに存在する根本は、自分を晒しあげなきゃ生きてゆけない不器用な人種の集まりの中に、その辺を器用に出来る人間が混じりこんで余裕をかまされることによる憎悪とか嫌悪感なんだと思う。話が冒頭からそれすぎた。内容に戻そう。

その日のお店の女の子が彼のことを事の始まりに強く抱きしめたらしいのだ。彼はその時そのぬくもりの中に埋没しながら「自分は生きていていいんだ。」と深い安堵を味わったらしい。そして「射精という目的を超えた人とのつながりを感じた」というような体験をしたらしい。僕はその情景と感情の描写力にいたく感動した。

 僕にとって彼が言葉にしたこの感情的風景は「今日はこれを言葉で聞くために出演をしたのではないか?」と思うくらいに素晴らしい発見だった。頻繁にブログにも書いている通り僕は3日に一度は死にたい気分になる。それでも医者に通おうとしないのはこのモードが日常といえるくらいに習慣化しているし、それゆえになんとなく収まりがつく未来を予見できるからでもある。で、同時に自分がその予測を超えて肉体を棄ててしまうパターンについても思考をめぐらせるのにも慣れているからだ。でもこれってなんていうか、世間的に人が自死を選ぶ感覚とちょっと違うかもしんないなと思っていて、その根本を思索するのに数ヶ月を費やした結果、僕は発見した。多分僕の絶命願望は電気機械の暴走に対して主電源を落としたくなるあのじれた感じなのだ。もっといえば、自分の思考が回りすぎて感情があふれた時に僕は自分を引きとめるためにコードを抜くように死を夢想するらしいのだ。だから最近は突然の眠気が自分に襲うことを許し、暇があれば寝る。それと、どうしたらエネルギーが日常的に上手に発散できるか考えている。自分ひとりで。相談もした、でも大抵返ってくる言葉は「そんなに有り余るエネルギーと才能にあふれてるなんて羨ましい」と賞賛されるばかりだ。僕が欲しいのは「そりゃ大変だねえ、どうしたものだろう?」と呑気に構えて一緒に考えてくれる人なんだが。

 僕にとってのハグの記憶は17歳のときに激しい頭痛に襲われて叫びながらベッドに頭を打ちつけ続ける僕を踏ん張って抱えた祖母の柔らかな肉。それと3歳の時に箱根旅行にいって、スワンの形をした船の座席シートを何度もよじ登って踏み越えては席をかえ、どの席の親戚や親にも笑顔を向けてもらったり頭を撫でてもらった記憶。それだけ。こんなに重要な記憶になるなんてきっと思ってもみなかったはずだ。他の記憶ももっといっぱい在る筈なのにどうしても思い出すことが出来ない。だから作り始めた、クリスマス、誕生日、些細な報告。その度に実家に電話してはイベントをする。足りなかった何かを永遠に嘆くなんてナンセンスだ。人は自らを作り変えるために夢をみて、レヴェルはどうあれ予知能力をもつ。御上が連れて行く、という価値観は同時に、動物が獲物のいるほうにレーダーみたいな勘で進んでいくという個体機能にも根ざしている。どっちがどう、ということはないだろう、どっちも同時に進行しているのだ。

 少し年上の友人の家に遅い時間にお酒を飲みに行って、そのまま泊めてもらった事があった。固い床に毛布をひいてごろんと横になった。ほろ酔いの戯れに横をむいて眠る彼の肩に手をかけて少しだけ手を握らせてもらった。それ以上は何も無かった。ただ、明け方指の感触を確かめながらこの伝わってくる「永遠」みたいな感覚はなんだろうと冴えた頭で考えた。答えは出なかったから時計を無視して彼が起きないのをいいことに触れる背中の面積を増やした。PARA氏のリーディングを聞いて答えはこれかもしんねえなと思った。共存とか生活とかいう、見えない狼とか小さいパンダとかとの生活だけでは具体性に乏しい感覚。しかし、思い通りにならないものは一つくらいあったほうがいい。それが人の生活だ。

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MOTT GALLERY 企画展
「Rock'n'roll Pieta」 8/28(水)-9/9(日)まで

8/31 18:00-20:00まで オープニングレセプション
イクルを招いたツーガールギグ付き。
先着15名様に手刷りトートプレゼント。

尚、DM枚数極小につきWEB告知メインとなります。

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