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2007年7月13日 (金)

ビギナーズラックを棄てつまんない唄うたいへ。

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先日浅草KURAWOODでトリをつとめた時、実はステージ上でガンガンのライトに照らされながら僕はとある瞬間に立ち会っていました。自分の手の動きと動作と客席とステージが一気に把握できた瞬間というやつです。これまではとにもかくにも「精一杯野郎」だったので、汗が出てくるまで自分をゼロにして身体感覚に任せて唄い続けていたのですが、その瞬間精神が勝ったんですわ。冷静な頭が身体の主導権を握った瞬間というか。ところがそれに気づいた僕はどうしたかというと、五秒後にはその冷静さを押し切って衝動のボルテージを上げなおしたのです。汗が流れなければライブを成立させたことにはならないという気持ちと、それ以上にファンサービスをしたのかも。ステージ降りたり弦切ったりの荒れ放題のステージが受けていたし、それを初期衝動だとして人を熱くしているのだという認識があったからそれの持続に賭けました。でも、後でおちたのは日記の通り。

 で、それを踏まえてアピア。とにかく「今日は最後かもしれないから大人しくやろう。」ということがこの日のテーマだったので自分の中で最後まで冷静を通すつもりでした。来てくれた人にもそう言ったし。声を張り上げるのも怒鳴るのもなし、みたいな。でもやってみたいことはありました。六弦が切れたのは三曲目くらいだったと思います。その日死ぬほど冷静すぎた私は「ああ。」とだけ思いました。冷静にやってもやっぱりアクシデントはおこるのだな、とただそれだけ。慌てることも表情を変えることもなくその時唄っていたマーメイドを唄い終わると、ステージ横からスタッフさんが声をかけてきました。

Vivienne★、ギター貸して、ポエトリーとかでつないで」本当は切れたままでも客を満足させる自信はあったけど折角のご好意だからうけることにしてギターを渡し、二人ばかりの人から言葉をもらいました。で、その場で唄をつくって歌いました。驚くべき機転でもなんでもない、実はこの日最後にやろうとしたことを順番変えてやっただけです。アピアは何かを生み出すのに適した箱だと思ったから、カバーのかわりにその場で唄とかを作り続けたらどうだろう?というアイデアを試したのみです。手ごたえはありました。でもできたら手拍子だと次に曲やるときに手のひらがグローブみたいになっちゃうので、ジャンベとかカホンとかいう図工の椅子みたいな奴が欲しくなりました。だれか9月の誕生日にくれないかな、10人とかで割り勘して。で、オベーションなら弦の張替えが楽なので今度から切れたら弦換えながら単語もらって唄えばいいんだと思いました。

 何が怖かったって、それは素の自分でステージにあがると自分の緊張とガチで向かいあうことだったかもしれません。下手でいて欲しいという言葉にひっかかったのはこうやって定着して支持者をつくりはじめた自分のありかたに甘えたかったのを気づいていたからかもしれません。あまりにも出会った人に恵まれていたから。唄いたいんだ!!という思いと気迫で押し切るステージは、歌い人の初期の気持ちを思い返させたりしてだからこそ価値をもったのかもしれない。でもね、もうつまんねえ。無茶苦茶に暴れながら「下手でもやるんだ!!」と叫べばそっちの方向に客の意識を持っていくのは簡単なんだもん。冷静さを取り戻してしまったら、人の印象に残るのが自分の詩とか言葉とか体が発する音のリズムとかじゃない事はどうにも今は腹立たしいとしか思えない。歌い始めの人の純粋な叫び声と生まれたての赤ん坊が泣く声で人をひきつけるのはニュアンスの良く似た生命のビギナーズラックの一つともいえるでしょう。サヨナラ、ビギナーズラック。客の失望を目の当たりにするのは繊細な自分には耐え難くもあるのですがアプローチをかえてみることにします。大勢のひしめくポイントでのあがきを浅草からはじめます。どうぞよろしく。

ライブ告知:「空のランデブー」

日時/2007年7月17日(火)OPEN18:00 START18:30~
料金/前売1500円 当日1800円 別途1ドリンク500円

場所/The Asakusa KURAWOOD
http://www.kurawood.jp/
03-5827-1234

出演/土橋友里と森祐子、Float Mole
Clockwork-scene、Vivienne★kick

 

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