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2007年2月17日 (土)

拝啓、イクルさま。

Chirashi

ウルトラのイクル夫妻へ

何年か前のクラブのパーティーで狂乱するパーティーの中
たった三人だけ反応が不思議な人がいました。

一人は親友で、DJボックスでおわらない唄をかけて踊り狂う私に涙し
そしてあとの二人はあなたたち二人で
だんなにいたっては「みんなアヤチャンのことをわかっていない。」
と何度も怒ってましたね。

本当の私が何かはわかりませんが、
あなたたちが今でも言う「あのときのあのパーティーがアヤチャンの
ほんとうにやりたかったことなんだって今でも思う」と言う言葉が
今リアリティをもって感じ取れはじめています。

版画をはじめて、ずっとミュージシャンの友達がほしいと思ってたわたしは
横浜でデート中の二人に会って、もうやっと出会った感で一杯でした。
あの版画が二人をつないだんだったらどんなにかいいなと思うんですが
ふたりは前のおうちにあの9人展のDMをずっと飾っててくれましたね。

武蔵野エレジーは特別な作品です。

作ったエモーションと、感じ取る人のバイブスに誤差があっても
深くつながることができると教えてくれた。

旦那のピコッティがバンドを抜けて二人がユニットを始めたとき
作品を頼まれてすごく嬉しかったのに
わたしはどうしても二人が求めた世界観に寄り添うことができなくて
苦しい思いをしてました。あなたたちもそれを感じてたみたいですね。

でもJikkyが出てきてくれて本当に良かった。

それでもね、私の課題というか旅はそれからもずっと続いてたんです。
寄り添えなくてもつながってるこの感覚をどうしても私は自分で知りたかった。
ずっと作品にしたいと思って、ジョニーをカレシにしてた最後の夏に
私は二人のおうちにお邪魔して写真をとりました。

まさかそこで一年以上も私が台風みたいな状況に流されると
思ってはいなかったんだけど。

イクルという存在を製版したのに
私はどうしても版に触れることができなかった。
ルートがずっと見えなかった。
こんな作品にしたいと思ってたのに何故か手が出せなかった。

でもね、この前わかったの。

私は「イクル」のカタチだけをつかって世界をつくろうとしたんだけど
ほんとうはこの「イクル」という存在だけを空間から抽出してはいけなかった。
あなたが生きて唄を作り続けたあのヘヤをきちんと彫らなきゃいけなかったのです。

そして私はあの日にあなたという存在から見えたものを
目に見える形できちんと乗せることをやるべきだったのです。
まるで自家製の心霊写真みたいに。
言葉が悪いよね、見えた妖精をかけばいいのかな。

でもね、妖精ではなくて
私に見えたのは戦場でした。

そしてわかった。

私も、あなたたち二人も、人生の戦場という側面から
目を離すことができないのだということを。

どんなに馬鹿をやっても
くだらない話をしても
ガキの使いの真似をしても

私たちは人生が投下する焼夷弾の中に身を投じずにはいられない。

そして私はそういう状況の中でしか自分が生かせず
逃げ惑ったり倒れている仲間のそばで
「いけるだろ?
やれるだろ?」
って言い続けるしかなくて

そんな時、たぶん遠くでかがり火をかかげて歌うあなたを見るのです
多分あなたは
「どうしてこんなことがおこるの?」
と叫び
そして
「ここに傷ついている人がいます。」
といって唄いながら彼らの手をとり続ける。

時々そんなイクルの存在に
わたしもまた
「ここにアホがいるので助けてやれ」と
何度もうたってもらえたんだと思う。

ごめんね、私はあなたのそんな本質からどうしても
目がそらせずに、あなたがまといたかった「やさしさ」を
全面に出してあげることができなかった。

かさなるのではなく
手とつないでいる横からの視点以外であなたをあらわすことが
私にはどうしてもできない。

この手はあまりにも強く握られているから。

いつでも遊びにおいでといってくれる旦那と
「私たちはキコリだから、誰も行かない道をいくしかない」という嫁が
作り出すイクルという存在が何度私を助けてくれたかわからない。

霊媒なんて嫌だ、もう以前に戻りたいと嘆く私に電話して
あなたたちは四時間も話をしてくれた。
朝がくるまで。

どこにいっても大丈夫、何になっても大丈夫。
言葉をかえたり、アプローチを変えるたびに
いろんな人を切り離して、いろんな人が離れて
戻れない昔に戻れとか、一個の部分のあなただけをくれといって
津波みたいにやってくる人たちに押しつぶされそうになったとき
私はイクルが掲げる火になんど救われたかわからない。

多分もう、私は逃げることができない。
隠れることもできない。
でも、たぶん私のピンチに助けてくれるヒーローはいなくて
もう自分がヒーローだと言い続けるしかないから

なんとなくいつか、
誰も気づかないどっかのタイミングで
多分私は討たれてしまうと思うんだけど

だからこそ一日も手をぬいて生きることが出来ないんだけど
でも私がそんなタイミングで二人より先に死んでも
どんな死に方をしても

二人は絶対に「あんたはよくやったよ」といって
笑ってくれる気がするから
だから私はいつだって一か八かの賭けで
リスクの高いほうに勢いよく跳ぶことができる。

私たちは戦友だから。

やっとこさっとこ飛び込んだでたらめなロックンロールを
二人が観に来てくれたとき
わたしはここに至るまでの道を本当に支えられたのだと思ったよ。

だから、忙しいのは知ってるけど
今回の展示だけは見に来てくれないかな。

今日と明日、曙橋で待ってるよ。

自分たちの居場所を誰に頼ることなく
自分たちの力で作るしかできなくて
でもそれがパンクであるというのなら
それがロックンロールだというのなら

やってる音楽やカタチがどんなに違ってもでたらめでも
きっと伝わると思うから
これからも不器用に手をつないでいてほしいと
心から思っています。

それと、生という字を見るたびにビールがのみたくなる自分を
この機会に許してください。

僕たちの表現が至る道は、どこに至るのでしょうか?
でもきっと、僕たちがアングラで終わっても誰かに道は続くはず。

イクル夫妻へ

生-ikuru-HP
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