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2007年1月21日 (日)

クリントなパイメイ、マギーな俺。

最初の言葉は「どうも。」だった。
彼いわく、屋台を通り過ぎる私の笑顔が素敵だったんだそうだ。

挨拶の関係を破ったのは
「今日は楽器を弾かないの?」の一言だった。
まだ私のギターが仇討ち六弦だった頃にこうして私たちは親しくなった。

彼には娘がいる。
私と年が近いくらいの。
でも会えてないらしい。
なんとなく私に娘の影をみてるのかもしれない。

はじめてのデモを聴かせたのは彼だ。
スタジオのろくでもない録音をCDに焼き、
曲順をふって彼に渡して練習に行った。

たこ焼きを買いに立ち寄った帰り道は、
まるでラブレターの返事を貰うみたいにぎこちなかった。
六個のたこ焼きをつめて受け取るまで一言も触れない彼に
「まだ聴いてないのか.....」と思いながら屋台を通過するその時
背中越しに彼が言った。

「録音レベルが」
「!?」

「録音レベルが小さすぎるんだよ、ミキサーいじってボリューム最大にあげな。」
「聴いてたんですか!」
よく耳をすますとラジカセから聞こえるのは私の声だった。
店に引き返すと彼が言った

「いいか、アーティストには根本でモデルケースになる奴がいる、
 キミの場合はおそらくジャニスだ。彼女の歌い方にはかわいいさと激しさの落差が
 あるんだ、だからそれを聴きこみな。そしてオープンコードを覚えるんだよ、
 朝陽のあたる家って曲がある、アレがいいと思うぜ」

「パイメイ!」

とてもたこ焼きやと客というシチュエーションにそぐわない
そんな会話で、僕らの関係はちっとばかし師弟愛にめざめた。

そして、17日。
はじめて彼を呼んだ。

おすすめの朝陽を浴びる家を全く練習せず
我流ですすめた女武士道を彼がどう認知するのか
私としてはちっと不安ではあったが
結果は前回の日記のとおり。

彼は笑顔とたった一言でぎゅっと握手してくれた。
「頑張ったな。」
私は、笑顔でうなづいた。

なんとなくミリオンダラーベイビーを思い出した。

お礼参りのたこ焼き買いにいくと
彼がおもむろに感想をのべた。
で、エレキをやめてアコギに持ち替えピアノを立って弾けという。

この辺が
MY WAYといえばフランク・シナトラな彼と
シドヴィシャスのわたしの大きな違いがある。

でも、レイチャールズの衝撃みたいに心に届いた
という言葉は嬉しかった。

どんなに意見が違っても
言うことを守らなくても彼は私にとっては心の師匠だ。
なぜなら彼は、表現からこころを汲み取ってくれるから。

彼の言葉で忘れられない言葉がある。

「善意を疑うんだぜ。」

「いつだって善意を疑い続ける旅なんだよ、表現は。
 それは辛いことだがアヤチャンはできるかね?」

それを聞いた翌日、私は彼の好きなピースを買ってさらに教えをこいた

「善意とはなにか?
 キミにとっての善とは必ずしも誰かにとっても善なのか、
 それを問い続けるということだよ。」
それなら出来ると思ったのを私は今でも覚えてる。

いつも、ギリギリになるまで待っている。
今からやろうということが善でも悪でもなく
自分にとってどうしようもないの一点に集約されるまで。

どうしようもないんだ、
どう思われても
どんな結果になっても

言わなきゃどうしようもないんだ
唄わなきゃどうしようもないんだ

その一点に経験と人生と感情と思いの全てをぶつけていく。

おとといのライブで、栄東さんという人が
「音楽と自分の密着度」という言葉をつかっていたが
私にとって音楽とは生き様の露出に他ならない。

アピアのスタッフさんは私を「来るべきしてきた女」といった。
次は2/16(金)だ。

もしあなたが何かを感じ取りに来てくれるなら私は待ってるよ。
全力疾走でお迎えするぜ。

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