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2006年9月12日 (火)

どうしようもない俺にパイ・メイが降りてきた。

「あやちゃん、のみにいこ!」

賢人が唐突に私を呑みに誘ったのは誕生日の数日前でした。

とはいえ、たこ焼きやとはいえ男であることには変わりなく
多少警戒。だもんで愛想笑いで乗り切り。

しかし誕生日の二日後、彼は再び声をかけてきた
呼び止められて近づくといそいそとたこを詰めている彼がいまして....

「はい、ささやかだけどね 誕生日プレゼント!」
その笑顔の曇りのなさに負け、呑みに言ったのは土曜のこと。

その日ははじめてのデモ取りでへこんでいたオイラ。
定食屋のエビスビールの一口目でつぶやいた台詞は

「己の下手さに参りました。」

途中で演奏が詰まったり、マイクのキー---ンという音に
わあお!
とか言ってるMDに本気でへこんでたのです。

おじさんは言った
「下手、うまいじゃないよ。なにを伝えたいか、何が伝わるかだよ。
 アヤチャン。」

「ジョアンジルベルトだってさ、聴きに言ったらつぶやくように歌ってたぜ」

..........おじさん
あなた
たこ焼きやの前は
何 を や っ て た の ?

それから会話は続き
ぶった切り宣言の日記の話をしました。

「おじさんね、私、どうしても許せないんよ。
 人が弱ってるときにさ、自分の弱さと向かい合えない人間がね
 唾はいて己を正当化するの。
 カミサマならそこ、許すでしょ?
 アタシ、俗になっちゃったよ。」

おじさんは私が注文したウインナーの4分の1をつまみながら言いました

「アヤチャン、君は俗じゃない。
 もし俗だというなら
 それは自分をいじめすぎだよ。」

「ではなんと言うのですか?」と私。

笑顔で彼 「 S H A R P さ。」

シャープ、生き方がシャープ。

賢人は私にそういいました。

それから約1時間。私は賢人と人生やら表現やらの話をして
ちゃっかりおごられて(でもそういう約束だったの)店を出ました。

そして賢人はその日最初に渡してくれたCDを指差して言いました
「アヤチャン、山崎ハコの(気分を変えて)と、
 西岡恭蔵の(プカプカ)という唄を聴きなさい」

「返してくれるのはいつでもいい。そして出来たらほかの唄も聴きなさい
 ほかの唄もいいのがあるかもしれない。」

私はあせって一言。
「わ、わたし何を貸したらいいのか.....!?」

賢人笑って曰く
「いいのさ、俺は自分で聴きたい歌は自分で選ぶから。」

帰りのエレベーターで自分の階まで上がりながら
私はBILLと賢人のことを考えていました。

私のBILLは私にメールでこう告げました
「俺、今女と会わないことにしています」

そのBILLが実はグルービーの家に入り浸りらしいことを聞いたのは
それから24時間も経たないうちのことでした。
そんなことも知らなかった私は、

「ごめんなさい!ごめんなさい!
 必要だと思っていながらあなたにそれが言えなかったの....」
と侘びメール

BILLの返信
「恋愛の穴を恋愛でしか埋められないのは凡人です」
弱っていた私に出来たのは侘びばかりでした。

ねえ、BILL?教えてくれないかな?
恋愛以前に自分の弱さを女で埋めてるあなたは、何?
でも多分、あなたは答えないよね?
だからどうしても立ちたくなかったフィールドに私は立つことにしたんよ。

私の答えは多分、言葉では伝わらない気がしたからさ。

そうしたら何故か、あなた以前に私の前を去っていった
あなたの関係者に寛容になれなかったのか私は答えを知ったんよ。
全部前の日記に書いたけどさ。

作家としての私だけ、つながっていようなんて虫が良すぎるよ?
人は道具ではないのだよ、少なくとも。
簡単じゃない、本当に。
人をひとりサヨナラするということは重いことなんだよ

..........................

賢人に最初のエビスをおごられたときに私が聞いた言葉

「おじさん、あなたは
 たこ焼き屋の前何をやってたんですか?」

中学生の頃から吸ってるというピースを口に
彼は微笑んでいいました

「評論家さ。
 フォークのね。
 だからここ(CD)にはいっている遠藤賢司とかね
 知り合いだったのさ。」

J     E     S    U    S  !  !  ?

神風というものが本当にあると知ったのは
この日だったかもしれません。

たこ焼き屋のおじさん、今日から呼び名を改めます。

今日からあなたは、私のパイ・メイです。

ギター始めてまだ三ヶ月半。技術では仇に当然及ばず。

私にあるのは伝えたい情熱と
己の言葉があるだけ

少なくとも彼らがグルービーの女でも
リスト同上の恋人とアヘアへしているその間に
私は自分をナタで切り裂く寸前まで追い込んで言葉をつくっているんだよ。
経験と、愛のチカラで返り討ちにすればいいさ
自信があるんだろ?

私が本当に知りたいのは
伝わる力ってのは技術を超えるのか?それだけかもしれない。

復讐とかそんなの実はどうでもいいのかもね。

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コメント

す、凄い人だったんですね。たこ焼きやのオヤジさん。
まさしく『神降臨』ですね。

山崎ハコと、西岡恭蔵。
レコード持ってたかなぁ・・・
探してあったら、針を落として聞いてみよう。

投稿: 至峰山人 | 2006年9月13日 (水) 10時09分

至峰さま>もうすぐデモつくるよ~。
音源まとまったら送ってもいいすか?

投稿: みと。 | 2006年9月13日 (水) 15時16分

マジッスか?
是非是非!!

投稿: 至峰山人 | 2006年9月13日 (水) 18時35分

これまたひとつの「出会い」ですわ。

投稿: スラッカン | 2006年9月14日 (木) 01時58分

プカプカは僕の中ではもうロックンロールです。大好き。

投稿: urei | 2006年9月14日 (木) 05時58分

スラッカンさま>日々出会いがあります。

ureiくん>トランプスタスタっていいよね。

投稿: みと。 | 2006年9月14日 (木) 16時11分

毎度おじさんの言葉はぐっと来るわぁ。

投稿: じっき。 | 2006年9月14日 (木) 22時09分

今日もパイメイは名言吐いたよ。

投稿: みと。 | 2006年9月14日 (木) 22時17分

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